2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本の医学部教育における6年間統合型行動科学教育プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
18590489
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 富雄 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (50343207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 信太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (40218673)
阿部 恵子 岐阜大学, 医学部, 助教 (00444274)
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Keywords | 行動科学 / 模擬患者 / 研修医セーフティーネット / 地域体験学習 / 身体診察 / モデルカリキュラム |
Research Abstract |
本研究の目的は6年間統合型行動科学教育のプログラムを作成することである。そのために今年度は以下のことを実践した。 1)模擬患者(SP)参加型患者診療実習の効果: H18年度に実施した患者診療実習を受けたグループと受けていないグループをAdvanced OSCEにて比較した。医療面接、身体診察、鑑別診断において有意な差は見られなかった。受講した学生全員がこのような実習は有意義であると答えた。本結果から学生に強いインパクトは与えたものの、医療面接と身体診察及び鑑別診断の一連の流れの中で知識・技能・態度が向上するには1回のみの実習では少ないということが示唆された。 2)患者診療実習に参加するSPに関する評価: H18年10月より養成したSP11名を対象にセッション毎のアンケート調査を行った。指導者と学生の態度に問題を感じているSPはいなかった。しかし、身体診察時不快感や羞恥心があったと答えたSPが20%あった。フィードバックに関しては、約30%のSPが難しさを感じていることが分かった。指導者とSPの学生評価結果に関しては医療面接で相関が見られたが、身体診察では相関が見られなかった。 3)地域体験実習: 医学部1年17人を対象に園児と妊婦との継続的交流を試験的に行った。保育園児との交流で学生は、子どもの反応に苦戦しながらも少しずつ距離を縮め、子度から身体的接触があった時、信頼されたと感じることができた。人間関係構築の流れを体験した。妊婦との交流では、妊婦は期待より不安を強く感じていることを理解した。妊婦の身体的変化と生の声で伝えられる不安は学生にとってインパクトの強いもので、コミュニケーションを学ぶ場というより、妊婦あるいは夫を疑似体験するという要素が強かった。それ故に、産科医、助産師の役割の重要性を認識でき、地域に置けるニーズの理解につながった。 4)ノバック氏と来年度実施するシンポジウムの打ち合わせを行った。
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Research Products
(5 results)