2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本の医学部教育における6年間統合型行動科学教育プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
18590489
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 富雄 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (50343207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 信太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (40218673)
阿部 恵子 岐阜大学, 医学部, 助教 (00444274)
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Keywords | 行動科学教育 / 医療面接 / 模擬患者養成 / 地域体験実習 / 情動指数 / コンテンツ・ヘリックス構造モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は6年間統合型行動科学教育のプログラムを作成することである。最終年度として以下のことを実践した。 1)模擬患者(SP)参加型患者診療実習の効果: 平成19年度までの継続研究の成果を第40回日本医学教育学会総会のシンポジウムで発表し、他の研究者と議論を深めた。また、名大での実習効果の結果に加え、昨年度より実施している藤田保健衛生大学での同様の研究結果を分析し、9割以上の参加学生が、名大と同様にこの実習が非常に有意義だと答え、卒前医学教育の中で強いインパクトを与えていることが判明した。 2)患者診療実習に参加するSPに関する評価: 平成19年度までの継続研究の結果を同上の医学教育学会で発表し、他の研究者と議論を深めた。藤田保健衛生大学での同様の研究からは、SPの学生に対するフィードバックを評価する指導者の存在が、SP養成課程におけるSPの満足度に大きく影響することが示唆された。 3)地域体験実習: 平成19年度までの継続研究結果を同上の医学教育学会で発表し、他の研究者と議論を深めた。さらに、情動指数(Emotional Intelligence: EI)を用いて実習前後の差を検討し、実習の教育効果を評価したが、EIを安定して増加させるには至らなかった。 4)卒前医学教育における行動科学教育シンポジウム「6年間を通して行動科学をどう組み立てて、どう教えるのか?」を開催し、国内外の研究者と議論を深め、日本における統合型行動科学教育プログラムのひな型である「コンテンツ・ヘリックス構造モデル」が提案された。このモデルは学習段階に沿った積み重ねを重視するカリキュラムであり、現在の日本の医学教育カリキュラムに対して、比較的親和性が高いと考えられ、実現可能性についての継続的な検討をしていく価値がある。
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