2008 Fiscal Year Annual Research Report
医療用iDCにおける医薬品副作用シグナル検知システムの応用に関する研究
Project/Area Number |
18590494
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
村永 文学 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00325812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 一朗 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40225230)
宇都 由美子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (50223582)
|
Keywords | 薬剤疫学DWH / データマイニング / 医薬品副作用シグナル検知 |
Research Abstract |
本研究の目的は、薬剤疫学データウェアハウスの医薬品副作用シグナル検知システムを、医療用インターネット・データセンターに設置した医用データ管理システムと連携させ、そこに蓄積された情報を用いて、「外部から提供された医薬品副作用情報および相互作用情報に対するエビデンスレベルの格付け」と、「データマイニング手法を用いた副作用シグナル検知システムによる薬剤監査支援」を実現する手法を確立することである。 平成20年度は、総合病院情報システムから抽出した処方例(匿名情報)から、模擬的な患者情報を作成した。その中に有害事象と思われるデータを有する患者情報も含めた。具体的には、前立腺癌で治療中の患者に対して、化学療法を施行している患者の投薬情報、検査結果情報を元に、模擬患者のデータを作成した。有害事象としては、汎血球減少、肝障害と判断されるような副作用発症の模擬症例データを作成し、正常な模擬患者データに混入させた。本研究で開発したシステムに、副作用シグナルを探索させ、その結果を元にシステムの評価を行った。まずは単純に時系列アソシエーション分析にて、有害事象を検出可能であるか試みたが、全ての投薬の変化と検査結果の変化がアソシエーションとして表示されるにとどまり、知識発見とは言い難い結果となった。そこで、白血球数,血小板数,AST値,ALT値等の各検査値に異常閾値を設け、投薬と検査結果のアソシエーションの単純化を図った。また抗がん剤投与に対するPSA値の低下のような、薬剤の効果として想定される変化について、知識辞書を作成し、辞書に無いものを有害事象とするような知識ベースフィルタを適用した。これらの前処理とフィルタを組み合わせることにより、想定する有害事象を有する模擬患者を発見できた。今後は、この知識辞書の自動作成方法と、テキストマイニング技術を応用し、カルテ記事からも有害事象キーワードを発見できるよう、本研究を継続して行きたい。
|
Research Products
(3 results)