2006 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル聴診器時間軸可変機能を組み込んだ心臓聴診教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18590501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
信岡 祐彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10189425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀谷 学 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60169638)
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Keywords | 心臓聴診教育 / ディジタル聴診器 / 時間軸可変機能 |
Research Abstract |
1.ディジタル聴診器時間軸可変機能の心臓聴診教育への応用について 医学部第5年を対象に特徴的な5種の心音、心雑音について、ディジタル聴診器による時間軸延長の効果を検討した。結果、時間軸延長の方が通常のスピードよりもわかりやすいと回答したものは、収縮期クリックとそれに続く収縮期雑音、II音分裂、収縮期駆出性雑音、III音の順に多く、一方収縮期逆流性雑音は通常のスピードの方がよいと回答したものが多かった。以上より、時間軸可変機能は心臓聴診能力の向上に有用であるが、その効果は、連続して生じる複数の異なる要素の心音・心雑音の弁別と時間関係の把握において大きいと考えられた。 2.総合診療内科外来における心音異常・心雑音の実態について 胸部症状を主訴として総合診療内科を受診した患者について心臓聴診所見を検討した。結果、1)心音異常・心雑音が認められる例は約30%であった。2)過剰心音のうちではIV音を弁別できることが、今後の高血圧患者の増加を考えると重要となってくると考えられた。3)心雑音の中では収縮期雑音の頻度が高く、そのうちの約80%は機能性(無害性)雑音であった。4)心雑音を聴取する症例の年齢は高い傾向にあり、また収縮期雑音の頻度が高いことから、近年高齢者で増加傾向にある大動脈弁狭窄症の弁別が重要と考えられた。 3.以上の結果を踏まえて、次のような心臓聴診実習プログラムの試案を作成した。すなわち、行動目標として1)I音、II音の同定と収縮期、拡張期の鑑別ができる、2)過剰心音として、III音、IV音、収縮期クリックを聴取できる、3)機能性雑音の特徴を述べることができ、器質的疾患による心雑音と鑑別することができる、4)収縮期雑音として、大動脈弁狭窄症を、拡張期雑音として大動脈弁閉鎖不全症を聴取できる、の4点を有し、さらにI音、II音の同定と過剰心音の聴取についてはディジタル聴診器時間軸可変機能を組み込むものである。
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