2007 Fiscal Year Annual Research Report
自発支払い方式によるPETがん検診の経済評価に関する研究
Project/Area Number |
18590505
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
濱島 ちさと National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, がん予防・検診研究センター検診研究部, 室長 (30286447)
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Keywords | がん検診 / PET(Positron Emission Tomography) / 自発支払い額(Willingness to pay) / 経済評価 / 費用便益分析 |
Research Abstract |
近年、わが国において急速に普及しているPET(Positron Emission Tomography)は全臓器を対象としていることから、新たながん検診として期待されている。しかし、PET検診の有効性評価は未だ行なわれておらず、一部の施設の成績の報告が喧伝されることが、受診者の過剰な期待観をあおっている可能性がある。PET検診は現状では限られた検診機関において、受診者の任意で受ける検診の形態をとっており、その費用は受診者本人が負担している。検診費用の設定は診療報酬を参考としている場合が多いが、その根拠は明確ではない。このため、PET検診は受診者が自らの価値観や様々な情報に基づき、受診するに値するか否かの判断を行なっている。そこで、受診者にとってPET検診がどの程度の金銭的価値があるかについて、費用便益分析の1手法である自発支払い法(Willingness to pay,WTP)を用いて測定した。 平成18年度は、国立がんセンターがん予防・検診研究センターにおいて、PET検診に対するWTPについて、自由回答方式による調査を行い、PET受診者55人とPET非受診者62人の回答を得た。WTPの最頻値は、PET受診者では5万円(最小1万、最大30万)であり、PET非受診者では5万円(最小5千、最大210万)であった。平成19年度は、同様にPET検診に対するWTPについて、競りゲーム方式による調査を行った。PET受診者298人とPET非受診者299人の回答を得た。WTPの最頻値は、PET受診者では10万円(最小1千、最大100万)であり、PET非受診者では5万円(最小0、最大50万)であった。今後は、国立がんセンターがん予防・検診研究センターの受診者の研究情報データベースとの照合を行ない、年齢、性、職業、健康習慣、世帯収入などの関連をさらに検討する。
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