2006 Fiscal Year Annual Research Report
ディファレンシャル・プロテオーム解析によるがん細胞生存シグナル因子の探索
Project/Area Number |
18590506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内田 和彦 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
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Keywords | プロテオーム / 薬剤応答性 / タンパク質 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究では、2次元液体クロマトグラフィー-MALDI-TOF型質量分析(以下2D-LC-MALDI-TOF/MSと略)を用いたディファレンシャル・プロテオーム解析法によって、明細胞がん細胞に抗がん剤を投与した後のシグナルカスケード制御タンパク質の差異を解析する。今年度は、タンパク質を網羅的に解析するためのプロテオミクス解析方法の研究開発を中心に行い、以下の成果を得た。 最も解析が難しいと考えられる血清を対象に条件検討を行った。血清の前処理とクロマトグラフィーの分画後96穴または384穴フォーマットとしてロボットによる操作による全自動解析によって1,140〜3,072分画の試料中全ペプチドをMALDI-TOF-MSで検出できるシステムをを用いて、主要な存在量の比較的多いタンパク質ばかりでなく、ng/ml微量タンパク質を検出できる前処理方法を確立した。アルブミンなど一部の大量タンパクはスポンジのように他のタンパク質を吸着するため前処理方法を工夫してタンパク質のカバレッジをあげることができた。血清(血漿)中のペプチド(分子量1万以下)としてはMS/MSデータとして1,000種類のピークの同定に成功した。比較定量法開発においては、複数の分画・サンプルにまたがった質量分析結果を一元的に比較表示し、複数サンプル間の発現量の差を検出する解析ツール(ソフトウェア)をもとに、タンパク質のMS/MSによる同定を行うとっともに比較定量ができるようにスペクトル解析作業の自動化と定量MS分析技術の改良を行った。また、タンパク質解析のコントロールとしてマイクロアレイに明細胞がんの遺伝子発現頻度解析を行いデータベースを行った。
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Research Products
(5 results)