2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬物性進行性腎障害における腎間質の炎症と慢性低酸素の連関と治療戦略
Project/Area Number |
18590514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 克之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00183624)
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Keywords | 腎線維化 / ヘムオキシゲナーゼ / エリスロポエチン / 低酸素 |
Research Abstract |
低酸素刺激で活性化される転写因子hypoxia-inducible factorによりheme oxygenase-1(HO-1)やerythropoietin(EPO)が誘導され、臓器保護的に作用することが知られている。そこで、 HO-1やEPOが臓器保護的に作用し腎線維化の進展を抑制出来るかについて、腎線維化モデルであるラット一側尿管結紫モデルを用いて検討した。HO-1については誘導剤であるコバルトプロトポルフィリンを前投与し、尿管閉塞後の腎間質線維化と炎症細胞の浸潤について検討した。誘導剤投与により腎HO-1は酵素活性、蛋白、遺伝子発現のいずれのレベルでも増加した。 HO-1の誘導により腎線維化は抑制されたが、腎間質へのマクロファージの浸潤は逆に増加した。一方、Tcenに浸潤はHO-1誘導により著明に抑制された。免疫組織化学によりHO-1の局在を検討したところ、HO-1誘導時の浸潤マクロファージに高発現していた。これらの結果から浸潤マクロファージにおけるHO-1の線維化抑制への関与が示唆された。次にEPOの有用性について検討を加えた。近年、EPO受容体を介する造血効果と臓器保護効果が異なった受容体を介することが示されている。後者はcarbamylated EPO(CEPO)によって選択的に刺激されることから、 EPOおよびCEPOを用いて腎線維化進展に対する効果を検討した。 EPO 1,500 U/kgの全投与にて血中ヘモグロビンは約1.5倍に上昇したが、同様量のCEPOは影響しなかった。一方、EPO、CEPOいずれも腎間質の線維化に影響しなかった。これらのことから、hypoxia-inducible factorで誘導されるHO-1には腎線維化抑制作用があるが、 EPOには線維化抑制作用がない可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)