2007 Fiscal Year Annual Research Report
薬物性進行性腎障害における腎間質の炎症と慢性低酸素の連関と治療戦略
Project/Area Number |
18590514
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 克之 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 教授 (00183624)
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Keywords | 腎線維化 / ヘムオキシゲナーゼ / エリスロポエチン / 低酸素 |
Research Abstract |
前度では氏酸素で誘導されるヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)を腎に誘導することで腎線維化モデルの尿管閉塞ラットの閉塞腎における腎線維化は抑制されたが、腎間質へのマクロファージの浸潤は逆に増加した。一方、Tcellに浸潤はHO-1誘導により著明に抑制された。免疫組織化学によりH0-1の局在を検討したところ、HO-1誘導時の浸潤マクロファージに高発現していたことから浸潤マクロファージにおけるHO-1の線維化抑制への関与が示唆された。このように低酸素で誘導されるHO-1発現亢進の炎症に対する作用は単純なものでないことが明らかとなった。そこで、炎症細胞の浸潤に伴いどのような分子が発現するか、さらに抗炎症薬がこれらの分子にどのように影響するかを検討するためループス腎炎モデルマウスを用い糸球体に浸潤する炎症細胞と発現遺伝子の網羅的解析を行うとともにステロイドの効果を検討した。腎炎糸球体ではマクロファージ、好中球、T細胞の著明な浸潤に伴い、多くのケモカインならびにその受容体が発現すること、その結果糸球体内での細胞外基質発現も亢進し糸球体内の線維化が生じること、ステロイドは炎症細胞の浸潤の抑制とともにこれらの分子の発現を総じて抑制することが明らかとなった。以上の結果より低酸素で誘導される分子にはHO-1のように腎間質線維化に対し抑制的に働く分子があることが明らかとなったが、間質の線維化形成に重要な役割を演じている炎症細胞に対してはステロイドのように非特異的に抑制するのではなく、炎症細胞の種類によりその効果が異なることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)