2007 Fiscal Year Annual Research Report
鉄イオン調節を用いた肝細胞癌に対する免疫療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18590515
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
窪田 敬一 Dokkyo Medical University, 医学部, 教授 (70260388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 登起彦 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20266761)
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Keywords | 肝細胞癌 / 大腸癌 / 鉄キレート / インターフェロンγ / DFO / アポトーシス |
Research Abstract |
インターフェロン_Y(IFN_Y)のレセプターはR1とR2から構成される。IFN_Yは抗腫瘍効果を有するが、この抗腫瘍効果が発揮されるか否かは、細胞が発現しているR1とR2のバランスによる。生理的条件下での多くの細胞や癌細胞は通常、R1は発現しているが、R2は発現していないかあるいは低レベルしか発現していない。もし癌細胞においてR2の発現を増加させることができれば、IFN_Yによる治療効果の増強が期待できる。平成18年度の研究においては肝細胞癌細胞株(HUH7、SNU449)を鉄キレート剤の存在下で培養することで、R2発現の増加を誘導し、IFN_Yの抗腫瘍効果を増強させうることを示した。平成19年度においてはこの効果を他臓器癌において検討するため、3種類の大腸癌細胞株(SW480、COLO、WiDr)を用いて検討した。鉄キレート剤(DFO)を添加することで3種類の大腸癌細胞株全てにおいてR2発現が増加した。DFO存在下で培養した3種類の大腸癌細胞株にIFN_Yを作用させると、有意な増殖能の抑制が認められ、フローサイトメトリーではapoptosisに陥った細胞数が有意に増加していた。前年度の研究とあわせて、鉄キレートは肝細胞癌と大腸癌におけるR2発現を増加させ、IFN_Yの抗腫瘍効果を増強させる。この際のIFN_Yの抗腫瘍効果のメカニズムは癌細胞に対するapoptosis誘導によるものと考えられる。鉄キレートとIFN_Yを組み合わせた治療は肝細胞癌、大腸癌に対する新しい治療戦略となる可能性が示唆された。
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