2006 Fiscal Year Annual Research Report
Notchを分子標的とする急性骨髄性白血病の新規治療法とその適応症例選別法の開発
Project/Area Number |
18590522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東田 修二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (80251510)
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Keywords | Notch / 白血病 / 分子標的治療 / ガンマセクレターゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病(AML)などの種々の白血病やリンパ腫に由来する細胞株と、検体使用の同意を得た患者から分離した白血病・リンパ腫細胞を用いた。各細胞の増殖におけるNotchの関与を確かめるために,RT-PCR法やウエスタンブロット法を用いて,Notchの発現や活性化を調べた。Notch抑制が新たな分子標的治療となりうるか否かの可能性を探るため,Notch蛋白の活性化を阻害するガンマセクレターゼ阻害剤(GSI)を添加した培養プレートで、これらの細胞を培養し、増殖、分化、自己再生に対するGSIの効果を調べた。Tリンパ芽球性白血病(T-ALL)では、GSIがアポトーシスを誘導することが報告されたが,AMLやB細胞性リンパ腫においても,GSIがアポトーシスを誘導して,増殖抑制を起こす細胞があることを見出した。特に、GSIの感受性の高い、新規に樹立したリンパ腫細胞株を用いて,GSIの分子レベルでの作用機序を調べ,T-ALLの機序とは異なることを示した(Leukemia Research 2006)。 また、AML細胞におけるNotch活性化の原因を探るため、NOTCH1遺伝子の変異の有無を調べた。20例中1例において、PEST領域の変異を見出した。本例ではNotchの恒常的活性化が認められた。しかし、T-ALLでは約半数の症例にNOTCH1遺伝子変異があることが知られており,AMLとT-ALLとではNotch活性化のメカニズムが異なる可能性があることを示した(Leukemia & Lymphoma 2006)。
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