2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロフロンタル法による血清中低分子キャリヤー蛋白質群の高精密機能測定
Project/Area Number |
18590528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
石田 哲夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10176191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10293820)
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Keywords | フロンタル法 / タンパク質 / 低分子リガンド / 血清 / 分析化学 / 結合曲線 / 嫌気測定 / 機能解析 |
Research Abstract |
本研究は、蛋白質と低分子有機化合物(リガンドと総称する)との相互作用を微量で精密測定する方法の開発を目指している。微量フロンタルゲルろ過法が実現すると、臨床で入手可能な少量の血清から、アルブミンをはじめとするキャリヤー蛋白質群のリガンド結合機能を精密測定できるようになる。病気や年齢による各種血清蛋白質の機能変化を定量化することで、新しい診断情報の探索ができる。 平成18年度は、以下の成果を得た。 1.100μL-スケールでの微量フロンタルゲルろ過法を実現。 内径1mのミクロカラムに高性能ゲルろ過樹脂を充填、試料注入方法の改良、ポストカラム希釈法の採用、送液ポンプの脈圧対策などにより、リガンド濃度を1000倍変えて、ノイズの少ないフロンタルクロマトグラムが得られるようになった(論文作成中)。 2.嫌気的フロンタルゲルろ過法によるredox依存性蛋白質一蛋白質相互作用の定量解析に成功。 本研究では、血清を嫌気下で扱い、人為的な活性酸素の生成などによる血清蛋白質の障害や酸化還元状態の修飾を避けて、機能解析することを目指している。モデル系としてフェレドキシン還元酵素とフェレドキシンとの酸化/還元条件下での相互作用に着目し、両者の結合の強さがredox依存性に10倍以上変化することをはじめて示した(論文投稿中)。 3.微量フロンタルゲルろ過法をメタピロカテーゼ(酸素添加酵素)とその基質や阻害剤との結合解析で検証。 本科研費で導入した嫌気チャンバー内に、紫外可視分光器・脱塩用カラム・微量フロンタルゲルろ過システムを設置し、本方法と滴定法の比較検討を行なった(結果の一部は専門書に掲載予定)。 4.フロンタルゲルろ過法の酵素反応機構解明への展開。 基礎研究においても、本方法でしか得られないデータがある。D-アスパラギン酸酸化酵素の基質活性化を説明する鍵である還元型酵常-基質複合体の存在を本法で証明できる可能性を示した。
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Research Products
(2 results)