2007 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙障害における酸化ストレスおよび遺伝子多型診断法の確立
Project/Area Number |
18590529
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
舩渡 忠男 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70165455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 正俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (50190046)
高橋 裕子 奈良女子大学, 保建健管理センター, 教授 (00346305)
池本 正生 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80144385)
竹田 真由 京都大学, 医学研究科, 技術補佐員 (00423054)
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Keywords | 喫煙障害 / 酸化ストレス / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
喫煙はあらゆる生活習慣病を含むメタボリックシンドロームにおける動脈硬化促進の危険因子の1つとして考えられていることから、喫煙障害に関する機序としての分子機構の解明が進んでいる。本研究においては、喫煙者においてはタバコに含まれる活性酸素種(reactive oxygen species: ROS)による酸化ストレスがDNAに障害を与えることに着目して、DNA障害のバイオマーカーとしてのヒト白血球8-hydroxydeoxyguanosine (8-OHdG)との関連性について追究してきた。血清8-OHdGを測定し検討した結果、喫煙者における血清8-OHdG濃度は、非喫煙者の濃度と比較して有意に高値を示した。したがって、喫煙者では酸化ストレスが増加していることが明らかとなった。さらに、別の酸化ストレスマーカーについても検討し、FRAS4においても同じ傾向が認められることから、喫煙に酸化ストレスが関与していることが考えられた。しかし、毎日数年喫煙している喫煙者間では血清8-OHdG濃度およびFRAS4の高値例と正常例が認められ、本研究課題ではこのことが遺伝子多型に関係するかどうかに着目した。すなわち、酸化ストレスマーカーの高値例は酸化ストレスを受けやすく遺伝子変異を示し、正常例は遺伝子多型を示さず酸化ストレスを受けにくいことが推定される。しかし、今回の研究では、遺伝的背景が確証出来るまでには至らなかった。将来、心血管疾患あるいは肺疾患といった喫煙障害を生じる背景として遺伝子多型との関連が明らかとなれば、禁煙指導での要望的介入を増進させることが期待される。
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Research Products
(4 results)