2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590539
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
五味 邦英 Showa University, 医学部, 教授 (60053980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 邦彦 昭和大学, 医学部, 教授 (70181287)
陳 戈林 昭和大学, 医学部, 助教 (60266111)
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Keywords | メタロβラクタマーゼ / ESBL / 院内感染 / 多剤耐性菌 / MRSA / エンテロバクター |
Research Abstract |
平成21年度は、多剤耐性E. cloacaeの継続的な解析と、市中感染型MRSA (community acquired MRSA; CA-MRSA)の解析を行った。 1. 多剤耐性E. cloacaeの耐性機構解析 本院で平成19年4月~6月に分離された35株の多剤耐性E. cloacaeを対象とした。耐性遺伝子解析で、MBLとESBLを検出し、その中にMBLとESBLの両方を保有する株が存在した。表現型解析の目的でMercaptoacetic Acid Sodium salt (SMA)とCAZディスクによるDouble disk synergy test (DDST)および、clavulanic acidとCAZ、CTX、AZT、CFPMディスクによるDDSTにより、MBLとESBLおよびAmpCの鑑別を行った。表現型でESBLと判定された5株からはすべてCTX-M型遺伝子が検出された。SMAでMBLの表現型を示した7株のうち6株からはIMP遺伝子が検出された。表現型がMBLであったが、IMPあるいはVIM遺伝子が検出されなかった1株について、その株のプラスミドを検索したところ、約5.1Kbと4.8Kbの2種のプラスミドを保有していた。現在そのプラスミドの塩基配列を決定中である。 2. 市中感染型MRSAの毒素解析 平成21年9月から当院の外来患者検体から分離されたCA-MRSAのPanton-Valentine leukocidin (PVL)の保有状況と、SCCmec型に基づく疫学解析を開始した。平成22年2月までの60株中PVL保有は2株で、その多くがSCCmecII型の遺伝子型を示した。CA-MRSAでのPVL保有率は減少傾向にあるとされるが、今回の結果もそれと一致した。また、CA-MRSAはSCCmecIVとV型が多いとされるが、今回はSCCmecII型が主であった。PVL陽性の2株はSCCmecIIIとSCCmecIVbであり、その意義について更に解析中である。
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Research Products
(3 results)