2007 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスを中心指標とした環境ホルモンの生体影響に関する研究
Project/Area Number |
18590548
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細川 敏幸 Hokkaido University, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 健 北海道大学, 医学部, 教授 (40153811)
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (80161727)
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Keywords | アポトーシス / γ-HCH / PC12細胞 / caspase / cytochrome C / Bcl-2 family / 環境ホルモン |
Research Abstract |
近年,環境ホルモンに分類される物質(g-HCH, DDT,ダイオキシン,ノニルフェノール,アトラジン,ビスフェノールーA, DEHP等)が神経系に直接作用するのではないかということがいくつかの実験によって示唆されている。我々はPC12細胞の培養実験系を確立し,アポトーシスに関する研究が可能になった。このPC12細胞は樹状突起をのばすなど神経細胞様の活動をし,アポトーシスの指標を測定することが可能である。本研究ではウエスタン・ブロッティングやELISA法,RT-PCR法など分子生物学的手法を利用してアポトーシスを分析した。 g-HCHをこの培養系に投与すると,高濃度では変化が見られず,低濃度でBax, Bad, cytochrome c, caspase-3などのアポトーシス因子が変化する傾向が観察されたが,統計学的には有意な変化ではなかった。別の細胞系での同様な実験では有意な変動が認められており,細胞の系によりアポトーシスへの影響が異なることが示唆された。 パラベンを対象にした研究では,アポトーシスへの影響とともにアポトーシス因子であるcaspase-3やBcl-2 familyの増減を検討した。その結果,メチルパラベンではBadの上昇がアポトーシスを亢進することが認められたが,ブチルパラベンはアポトーシスには影響しないことが明らかとなった。
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