2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
黒田 嘉紀 宮崎大学, 医学部, 助教授 (50234620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
欅田 尚樹 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (90178020)
平野 靖史郎 国立環境研究所, 環境ナノ生体影響研究室, 室長 (20150162)
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Keywords | ディーゼル / 鉱物油 / 免疫 / 排ガス |
Research Abstract |
我々はディーゼル排ガスの生体影響について基礎的研究を行った。 ディーゼル排ガス中には粒子状物質(PM)が含まれているが、このPM以外にもエンジンの潤滑油や燃料に含まれている鉱物油が排ガス中にミストとして排出されていることが分かっている。これまで我々はプリスタンやwhite mineral oilが自己抗体(SLEに特有の抗体)を誘導することを報告している(Biomedicine and Pharmacotherapy 58:325-337 2004)。そこで我々はこのミスト状の鉱物油に注目してその影響を検討した。ディーゼル排ガスに含まれる鉱物油には潤滑油・燃料に含まれる種々の鉱物油が存在するが、我々はこのうちヘキサデカンについて検討した。ヘキサデカンは潤滑油や軽油・重油に存在するC16のアルカンである(プリスタンはC19)。 まず純粋なヘキサデカンを腹腔内に投与して、免疫学的影響を検討した。プリスタンと同様にSLE特有の自己抗体を誘導したが、プリスタン投与マウスに比較して、腹腔内の炎症は強く、生体への影響は強いことが想像された(Toxicology 218:186-196 2006)。 次に我々は、マウスを実際にディーゼル排ガスに暴露し、自己抗体誘導の有無について検討した。マウスの暴露は国立環境研究所に依頼して行った。1ヶ月間ディーゼル排ガスに暴露した後に血清をとり、自己抗体を評価した。残念なことに、今回自己抗体は検出できなかった。 腹腔内に投与する場合とミスト状で暴露する場合、その刺激の程度は異なることが想像される。ミスト状の暴露の場合、暴露量を正確に把握できない問題があるが、当然、腹腔内に投与する方が、刺激は強いと考えられる。従って今回ディーゼル排ガス暴露実験にて自己抗体の誘導は見られなかった理由として、暴露刺激が少ない可能性が考えられた。そこで平成19年度はさらに長期間の暴露を計画し国立環境研究所と調整中である。
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Research Products
(2 results)