2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病発症に関する栄養学的要因の日本中国共同研究
Project/Area Number |
18590563
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
福島 哲仁 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (90208942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 秀幸 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80294370)
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Keywords | パーキンソン病 / 血中重金属 / 栄養調査 / 患者対照研究 / ナイアシン代謝 |
Research Abstract |
最終年度として、さらに栄養学的調査、血中重金属測定等を継続して実施し、パーキンソン病との関連を考察した。対象者は昨年度と同様、中国湖北省嚢埜市第一人民医院にてパーキンソン病と診断されて3年以内の患者と性及び年齢を一致させたコントロール(頭痛、めまいなどで同医療機関を受診した患者)であり、それぞれ70人(男性39人、女性31人;平均年齢63.9±10.3年)である。パーキンソン病患者のマンガンの血中濃度、鉄、銅および亜鉛の血清濃度は、それぞれ0.026±0.025μg/ml、1.86±0.85μg/ml、1.02±0.33μg/mlおよび0.96±0.39μg/mlであった。コントロールは、0.016±0.007μg/ml、1.44±0.83μg/ml、1.00±0.23μg/mlおよび1.10±0.51μg/mlであった。血中マンガンおよび血清鉄のレベルは、コントロールよりパーキンソン病患者において有意に高かった。グループ間の各金属の食物からの摂取量では差は認められなかった。また、パーキンソン病患者の血清ビタミンE、ビタミンB12は、それぞれ0.82±0.35mg/dl、352.3±215.7pg/ml、コントロールは、それぞれ0.87±0.35mg/dl、305.3±245.2pg/mlで有意な差はなかった。グループ間の各ビタミン摂取量は、ビタミンE、 B1、B2、C、ナイアシンとも有意な差は認められなかった。トリプトファンを初め、アミノ酸摂取の比較でも、有意な差は認められなかった。血中のマンガンおよび鉄の濃度上昇は、飲料水あるいは大気汚染の影響も考えられ、パーキンソン病の病因に関係している可能性が示唆された。
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