2006 Fiscal Year Annual Research Report
トキシコゲノミックスによる動物実験結果をヒトへ外挿する際に生じる種差の評価法
Project/Area Number |
18590573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
佐野 有理 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20338023)
吉岡 範幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70365229)
衛藤 憲人 東海大学, 開発工学部, 講師 (60365228)
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Keywords | トリクロロエチレン / 種差 / DNAチップ / トランスクリプトーム / 初代培養肝細胞 |
Research Abstract |
本年度、NPO法人HAB研究機構よりヒト肝細胞の分譲を受け、2.5および5mMの濃度でトリクロロエチレン(以下、TCE)曝露実験を行った。肝細胞の状態は良好であり、total RNA抽出、cDNAさらにはcRNAの合成を行い、これをDNAチップ(U133 plus 2.0、Affymetrix社)にハイブリダイゼーションし、解析上の要求である4例目のトランスクリプトームを得た。4個体のうち、少なくとも3以上でP or Mとなったプローブについて、ベイズの理論により、有意(p<0.01)に変化したプローブを抽出した。以前に得ているマウス、ラットのトランスクリプトームと併せ、3種の比較検討を行っている。ゲノムレベルでのパスウェイの解析、可視化プログラムGenMAPP中のソフトMAPPFinderを使って変化したプローブが有意に多い、または、少ないパスウェイ、GO(gene ontology)termを抽出した。TCEも含まれるペルオキシゾーム増殖薬に特徴的なβ酸化に関与する遺伝子の発現亢進はマウスの5mM、24時間後のみに見られ、ヒトでは長鎖脂肪酸合成に関与する遺伝子の発現が亢進していた。さらに、変化した遺伝子群と既知の知見との異同を比較するプログラムGSEA(gene set enrichment analysis)により3種のトランスクリプトームの異同を比較した。種間の異同を検討するには、全てのプローブを使ったクラスター解析も有用である。これを行うためのヒト、マウス、ラットのホモロジー検索ソフトを完成させた。
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