2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨折テーラーメイド予防のために大規模コホートで遺伝ー生活習慣相互作用を解明する
Project/Area Number |
18590579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
森田 明美 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養教育プログラム・生活習慣病予防プロジェクト, プロジェクトリーダー (40262638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
池田 行宏 近畿大学, 医学部, 講師 (20368294)
土肥 祥子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨折 / 遺伝子多型 / テーラーメイド予防 / 生活習慣 / 無作為抽出コホート / 骨密度 |
Research Abstract |
1996年実施の15〜79歳の女性住民を対象とした大規模な無作為抽出標本調査(骨粗髪症予防のための疫学調査:JPOS study)から、1999、2002年に追跡調査が行われた約1500人を対象とした。各調査より、腰椎・大腿骨・橈尺骨の骨密度、体格、筋力、運動習慣、労働強度、飲酒、喫煙、第二次性徴、月経・妊娠・出産や婦人科既往歴、食事習慣、カルシウム摂取量、血液・尿中の骨代謝指標、骨量や生活習慣の変化、骨折の発生についてのデータを得た。2006年には、満10年の追跡調査を実施した。 1.1996年のBaseline調査受診者から死亡や転居を除く1515人を対象に、満10年の追跡調査を実施したところ、受診者は1040人、受診率68.6%であった。骨密度の測定および骨折の発生、体格、ライフスタイルの調査を実施し、調査項目のデータベース化が完了した。平成19年度は骨折解析、保存血を使った骨代謝マーカー検査を完了し、遺伝子解析結果との比較解析を実施する。 2.遺伝子多型は、対象者のゲノムDNAよりPCR-RFLP法および対立遺伝子識別アッセイ法で同定した。現在までに、VDR、TGF-β1、MTHFR、CYP19、CYP1A1、COMTなどに加え、PPARγ、RUNX2、HSD17β遺伝子の多型を同定した。引き続き、平成19年度はBMP2、CYP1A2、LRP5遺伝子などの多型の同定とともに、追跡調査結果も合わせて骨密度・骨折との関連を解析する。 3.同定した遺伝子については、順次解析を実施中であるが、ほとんどの遺伝子頻度は、先行研究と有意差はなかった。TGF-β1遺伝子の多型と、小児期の運動や牛乳摂取などとは、骨密度への相互作用を持つことがわかり、その結果を国際学会で発表した。また、PPARγの多型と、大腿骨や橈骨の骨密度には関連が見られ、他の生活習慣との相互作用を検討中である。
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