2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における味覚の不定愁訴竹自発性異常味覚症筑の疫学調査による治療戦略の構築
Project/Area Number |
18590586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 しづ子 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (60225274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 真弥 東北大学, 病院・講師 (90157686)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (10125560)
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Keywords | 自発性異常味覚症 / 味覚検査 / 唾液分泌量低下 / 慢性辺縁性歯周炎 / 口腔粘膜疾患 / 全身疾患 / 服用薬の副作用 |
Research Abstract |
味覚異常は、加齢的変化とも関連して高齢者に多くみられる。味覚異常は、味覚低下症(味がしない、判らない)と自発性異常味覚症(塩味など常に味がする)に大別される。しかしながら、一般に味覚異常(または味覚障害)として治療されているのは味覚低下症て、その原因と治療法はほぼ全容が解明されているのに対して、自発性異常味覚症の原因や病態は疫学調査を含め詳細な検討は行われていない。これらの患者では、うつ病と診断されたり治らないと説明されることも多く、治療法は確立されておらず、患者のQOLは著しく損なわれている。本研究は高齢者の自発性異常味覚症の診断と治療法を開拓し提供することを目的とする。本年度は、東北大学歯学部附属病院口腔診断科に味覚異常を主訴として来院した65歳以上の高齢者の患者に、1.問診:(1)自発性味覚異常感の有無、(2)全身疾患の有無、(3)服用薬剤の有無、(4)口腔乾燥感の有無、(5)生活環境(食事など)、(6)ストレス・抑鬱感の有無など。2.味覚検査:テーストディスク、電気味覚検査計を用いた味覚検査。3.唾液検査:総唾液分泌量の測定、物性ならびに性状検査。4.口腔内診査:(1)齲蝕、修復物の診査、(2)歯周病の精査、(3)義歯の有無など。5.血液検査味覚検査を行い、検出された自発性味覚異常症に対して治療を行った。その結果、自発性異常味覚症の原因として、約8割の患者で唾液分泌量低下、慢性辺縁性歯周炎、服用薬剤の副作用が確認され、唾液分泌量低下および慢性辺縁性歯周炎の治療によって多くの患者において症状の改善が得られた。この冶療経過から、自発性異常味覚症は、原因として神経症や精神病を疑う前に、口腔疾患を精査し治療することが重要であると考えられた。
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