2007 Fiscal Year Annual Research Report
大豆イソフラボン摂取と全身性エリテマトーデスの予後に関する前向きコホート研究
Project/Area Number |
18590588
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南 優子 Tohoku University, 医学部, 教授 (60239316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 毅 東北大学, 名誉教授 (50110656)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / イソフラボン / 学歴 / コホート研究 / 予後 / 疫学 / ビタミンB6 / 食物繊維 |
Research Abstract |
本研究は、近年、女性の間で関心が高まっている大豆イソフラボン摂取と全身性エリテマトーデス(SLE)の予後(活動性変化・動脈硬化性疾患の発症)との関連を明らかにすることを目的としている。平成19年度は、(1)1995年に設定された279名のSLEコホートのうち、1999年時調査で生存が確認された257名のその後の予後を調べる(平成18年度から継続)、(2)解析用データベース作成、(3)データ解析、の3つを実施した。平成19年度末に1999-2005年分の予後調査が完了し、ベースライン279名の1995-2005年予後が明らかとなった。ベースライン279名から19名の死亡、67名の転出が観察され、さらにベースライン時に非活動期にあった219名からは20名の動脈硬化性疾患発症が同定された。これら予後調査結果を5訂食品成分表による栄養素摂取量データとリンクし、解析用データベースを作成、統計解析を行った。解析には比例ハザードモデルを用い、年齢・学歴などの交絡要因を補正した上で、大豆イソフラボン摂取及びその他の栄養素摂取とSLE予後との関連を明らかにした。解析の結果、大豆イソフラボン摂取と活動期発現・動脈硬化性疾患発症との間に有意な関連は認められなかったが、ビタミンB6及び食物繊維摂取が有意に活動期発現のリスクを低下させていた。また、栄養素摂取以外の要因である学歴(中学卒業程度)が動脈硬化性疾患発症のリスクを有意に上昇させていた。本研究結果から、大豆イソフラボン摂取は活動期発現・動脈硬化性疾患発症のいずれにも関与していないものの、イソフラボン以外の栄養素摂取が疾患活動性変化に関与していることが示唆された。また、長期予後としての動脈硬化性疾患発症には、栄養素摂取ではなく、学歴などの社会的要因が関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)