2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590591
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 和男 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70275709)
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Keywords | 社会医学 / 歯周病 / 口腔衛生 / 消化性潰瘍 |
Research Abstract |
平成20年度においては、べ一スラインとして平成16年に取得されたアンケート調査項目のデータから、歯周病に関連する指標と、消化性潰瘍(胃・十二指腸)の現病歴との関連を調べた。 方法:今回の解析に必要な情報が全て得られた分析対象者分析に使用した調査項目に未回答があった者を除く28,765人を分析対象とした。歯周病の指標としては、1)5本以上の喪失歯、3)歯周炎(自己申告)、4)歯周病リスク数(歯茎からの出血、歯の動揺、口臭の3項目のうち、あてはまる項目数)の3つを設け、消化性潰瘍(胃・十二指腸)の有無を従属変数としてそれぞれロジスティック回帰分析を行った。また共変量として、年齢、性別、BMI、喫煙歴、飲酒、高血圧、糖尿病、仕事のストレス(職業性ストレス簡易調査表による)、歯磨き回数を用いた。 結果:分析対象者28,765人(男性6,688人、女性22,077人)の平均年齢±標準偏差は、男性41.7±10.6歳、女性43.6±10.5歳であった。分析対象者のうち、現在消化性潰瘍を治療中の者の割合は1.4%(397人)であった。平均喪失歯数は2.4本(標準偏差3.5本)であり、分析対象者の17.6%(5,071人)が5本以上の歯を失っていた。歯周炎があると答えた者は全体の20.9%(6,007人)であった。また、歯周病リスク数の平均は0.6(標準偏差0.8)であった。分析の結果、歯周病の指標をひとつずつ加えた3つのモデルのすべてにおいて、これらの指標と消化性潰瘍との間に有意な関連がみられた。さらに年齢、喫煙歴(現在)、糖尿病、仕事のストレスについても、消化性潰瘍との間に有意な関連が認められた。 結論:本研究では、消化性潰瘍の発生や進行に影響を与えると考えられるいくつかの要因について調整を行ったうえでもなお、歯周病と消化性潰瘍との間に有意な関連を確認した。
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Research Products
(2 results)