2006 Fiscal Year Annual Research Report
日米の血中コレステリルエステル転送蛋白およびその規定要因と冠状動脈石灰化の関連
Project/Area Number |
18590595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡村 智教 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00324567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 崇 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30324578)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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Keywords | CETP / HDLコレステロール / EBCT / 動脈硬化 / 日米比較 |
Research Abstract |
CETP(Cholesteryl ester transfer protein)はVLDLやLDLのトリグリセライド(TG)とHDLのコレステロールエステルを交換する作用を持ち、その活性はコレステロール逆転送系で大きな役割を果たしている。しかしながら、CETPが動脈硬化促進的なのか防御的なのかは結論が得られていない。本研究では、日米の地域在住一般住民の血清CETP値を比較し、それぞれの集団で冠動脈石灰化との関連を検討した。対象者は滋賀県草津市とPennsylvania州Allegheny countyの住民から作為抽出された40歳代の男性である。循環器疾患既往のない日本人249人、米国白人233人を解析対象とした。電子ビームCTによる冠動脈石灰化(CAC)は日米ともImatron C150 で計測され、血清CETPはすべて日本で測定した。日本集団は米国集団に比し有意に低い血清CETP(2.24mg/L vs. 2.43mg/L)、有意に高いHDL-Cを示した(53.6mg/dl vs. 47.8mg/dl)0血清CETPを4分位で分けると、日本集団では血清CETP値が高いほどCAC(>10)の保有率が高くなる傾向を示した(6.7%、9.3%、14.7%、18.6%)。一方、米国集団は日本集団に比しCACの保有率が高く、また血清CETPと一定の関連を示さなかった(30.2%,18.0%,21.1%,26.3%)。ロジステイック回帰でTGを含む他の危険因子を調整すると、CETP lmg/L上昇に伴うCACのオッズ比は、日本集団では4.27(95%信頼区間1.59-11.5)、米国集団では0.79(0.40-1.56)であった。血清CETP値とCACの関連は日本人と米国白人で異なり、肥満度や喫煙、遺伝的背景などの修飾を受けている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)