2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の認知機能及び生活機能の評価と維持に関する外来・地域比較研究
Project/Area Number |
18590598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武地 一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10314197)
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Keywords | 超高齢者 / 後期高齢者 / 認知機能 / 認知症 / 日常生活動作 |
Research Abstract |
今回の研究では、特に75歳以上の後期高齢者あるいは85歳以上の超高齢者の認知機能及び生活機能の実態を明らかにすることを目標にした。特に従来の地域研究では十分行われなかった認知機能の多領域を調べ生活機能と比較することを試みた。現段階における実際の調査・集計を示す。S県T市に設定したフィールドにおいて、5歳ごとの年齢区分に応じて住民票より無作為抽出を行い参加の同意を得た65歳以上の高齢者391名。同居家族の有無、ADL、IADL、趣味、他者との交流、家庭内外での役割などを聴取した後、Up & GoとMMSEを行い、MMSEが18点以上の参加者には単語リスト再生、レイ図形、積み木テスト、Trail Making Test、1分間の語想起(動物、野菜、「か」のつく言葉)を訓練を受けた看護師により行った。集計の結果を示す。参加者の中から健常な高齢者として、日常生活状況の聞き取りよりIADLの電話、乗り物、買い物、銀行、服薬の各項目が可能、家庭内外での役割や他者との交流の保持、上記の情報聴取で信頼性あり、MMSEが18点以上である者を抽出した。その結果、健常者と年代ごとの参加者における割合は前期高齢者(65〜74歳)で125人(91.9%)、後期高齢者(75〜84歳)125人(86.8%)、超高齢者(85歳以上)42人(62.7%)となった。健常者の3つの年齢群においてUp & Goの平均は11.1、13.5、21.1、MMSEの平均は27.7、26.3、25.3と双方ともに年齢と共に低下が見られた。その他、すべての認知機能検査において年齢層があがるとともに有意な低下が見られた。以上の結果から、一定の生活機能が保たれている高齢者でも、年齢と共に認知機能の各領域における有意な低下があることが今年度の集計から考察された。今後、更に詳しく解析する予定である。
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