2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の認知機能及び生活機能の評価と維持に関する外来・地域比較研究
Project/Area Number |
18590598
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武地 一 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (10314197)
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Keywords | 認知機能 / 日常生活動作 / 認知症 / 超高齢者 / 後期高齢者 / 地域在住 |
Research Abstract |
日本社会の高齢化が進んでいく中で、高齢期に多い疾病である認知症が急増し、ますます大きな社会問題となることが予測される。しかし、急増しつつある高齢者、特に75歳以上の後期高齢者あるいは85歳以上の超高齢者の認知機能及び生活機能の実態は十分わかっているとは言い難い。そこで今回の研究では、前期高齢者から超高齢者にいたる幅広い範囲の高齢者を対象に認知機能と生活機能を評価し、実態を明らかにしたいと計画した。特に従来の地域研究では十分行われなかった認知機能の多領域を調べ生活機能と比較することに主眼を置いた。実施した内容としては、地域在住高齢者において、前期、後期、および超高齢者にわたる各年代から約400人の日常生活動作と認知機能に関するデータを得た。その中から、認知機能が健常な高齢者として、生活機能評価に関する調査票より健常と言える高齢者を抽出した。比較する項目はMMSEの他に言語性・非言語性近時記憶、視空間認識、実行機能の検査であり、言語性近時記憶としてADAS-Jcogより10単語記憶検査、非言語性記憶として簡易レイ図形描画の直後ならびに遅延再生、言語・非言語混合型の記憶検査として研究代表者らが開発したPicture Memory Test、視空間認識検査として簡易レイ図形描画の模写およびWAIS-RのBlock Design Test、実行機能検査ではTrail Making Testおよび単語想起の流暢性課題の各項目であった。結果として、健常高齢者であっても、ほぼすべての領域特異的認知機能において年代が進むにつれ認知機能が低下していること、それぞれの年代において教育歴も大きな影響があることが示された。この結果から年代ごと、教育歴ごとの超高齢者までの領域特異的認知機能検査の基準値を示すことができた。今後、更に都市部の大学病院外来と地域との違いも検討したいと考えている。
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Research Products
(4 results)