2006 Fiscal Year Annual Research Report
食事及び血清脂質の脂肪酸組成と抑うつに関する職域疫学研究
Project/Area Number |
18590601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
溝上 哲也 国立国際医療センター(研究所), 国際保健医療研究部, 部長 (60269074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 匡央 九州大学, 農学研究院, 助教授 (90294909)
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Keywords | 脂質 / 栄養学 / ストレス / 社会医学 |
Research Abstract |
食事からの脂肪酸の摂取及び血清中の脂肪酸分画と抑うつ状態との関連を明らかにすることを目的に、職域疫学調査を実施した。 調査は、福岡県内の2つの公務事業場において、健康診断の実施にあわせて行った。事前に依頼書・調査票・同意書を配布し、記入の上、健康診断会場に持参してもらった。健康診断会場にて調査担当員が記載内容及び同意の確認を行った。所属職員の90%に相当する541名から研究参加の同意を得た。 脂肪酸摂取量の推定には妥当性が検証されている食物摂取頻度調査票を、またメンタルヘルスの評価には国際的に用いられているGeneral Health Questionnaire(GHQ-28項目版)及びCenter for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)の日本語版を用いた。交絡要因として、職場ストレスを含む事項についても尋ねた。健康診断項目として別途得られている生活習慣や検査結果などのデータを健康診断実施機関より入手した。 脂肪酸組成分析用に協力者から提供を受けた静脈血7mlについては、遠心分離器後、血清を-80℃で保管した。一部の検体(130名分)について、血清中の脂質をFolch法にて抽出した後、薄層クロマトグラフィーにて遊離脂肪酸分画を分離し、ガスクロマトグラフィーで測定した。この作業は、測定担当者にメンタルヘルスの状態を知らせず行った。 上記の調査票及び血液分析から得られたデータには調査に固有な識別番号を付与し、この番号によって全データを連結した。はずれ値や論理的整合性を確認した。予備的な検討により、ある種の血中脂肪酸組成が抑うつと関連することを示唆するデータを得た。
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