2006 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期の母親のライフスタイルと児童の注意欠陥多動性障害に関する症例対照研究
Project/Area Number |
18590609
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
吉益 光一 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40382337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 千香子 九州大学, 医学研究院, 講師 (00169963)
山下 洋 九州大学, 医学研究院, 助手 (20253403)
宮井 信行 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40295811)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
吉川 徳茂 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10158412)
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Keywords | 注意欠陥多動性障害 / 妊娠期のライフスタイル |
Research Abstract |
科学研究費補助金交付の決定を受け、平成18年4月より和歌山県内(一部県外)全域において症例対照研究を実施している。申請時の初年度研究資金の約70%が交付されるに留まり、資金上の制約のため、地域の一次医療機関における症例個別の対照群の確保は困難となった。このため、小学校生徒の母親を対象としたアンケート調査を実施し、そこからマッチング対照を得ることを検討したが、教育委員会より賛同が得られず断念した。 一方、和歌山県における注意欠陥多動性障害(ADHD)の発生地域は大きく分けて、和歌山市周辺と紀南地方の2箇所であり、それぞれの地区に中核医療機関が存在する。そこで、それぞれの地域の二次医療機関を受診した小・中学生、軽症身体疾患患者の母親、および小・中学生を持つ研究協力医療機関の女性職員に対して、精神科医である代表研究者の吉益が個別に面接を行なうことによって、対照群のデータを収集するデザインに変更した。平成17年9月より実施しているADHDに関する分子疫学研究のデータも、妊娠中の喫煙など本研究と共通する生活習慣のデータは結合して中途解析を行った。平成18年2月末までに症例群48名、対照群143名の母親に対して面接調査を実施した。 主な結果の概要は以下の通りである。 1.妊娠中の喫煙は児童のADHD発症に関与している可能性が示唆された(性補正オッズ比1.58,95%CI 0.66-3.82) 2.妊娠中の飲酒と児童のADHDには関連性が認められなかった。 3.妊娠中の精神的ストレスは児童のADHDと有意な関連が認められた(性補正オッズ比1.67,95%CI 1.21-2.31) また、以前より行なっていた喫煙科学研究財団による分子疫学的研究は九州大学に集約することとし、今後の九州大学における本研究に要する費用は、同財団による補助金を用いて、なお不足する額を充当することに用いる予定である。
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