2008 Fiscal Year Annual Research Report
超長寿者の病歴および病態に関する研究-沖縄とハワイと全米の比較
Project/Area Number |
18590610
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
D・CRAIG Willcox Okinawa International University, 総合文化学部, 准教授 (70316214)
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Keywords | 沖縄 / 長寿 / 国際保健 / 百寿者 / 病歴 |
Research Abstract |
平成20年度の研究費で、以下の成果を得た: 1)沖縄百寿者における老年病の既往歴と罹患年代についての調査により、多くの百寿者が、老年病に15年間以上罹患していることが明らかになった。この重要な発見により、かなりの割合の百寿者を「生存者」として分類することができるだけでなく、そのような「生存者」は、既往歴があるにもかかわらず、機能(ADL)低下を遅延したり回避したりしているのではないかと考えられる。それをふまえて仮説を次のように修正した。一部の百寿者にとっては、病態と機能低下の両方の圧縮が、超長寿にいたる重要な要因ではないか。また、別の百寿者にとっては、必ずしも病態の圧縮が関わっておらず、機能低下の圧縮のみが、超長寿にいたる重要なメカニズムとなっているのではないか。さらに、男性の場合、罹患したまま超長寿にいたるのは女性に比べて困難であり、回復力(resiliency)の強い人だけにそれが可能なのではないか。 2)高齢者全体としては慢性疾患の罹患率が高まっているものの、必ずしも機能低下を伴うとは限らない。病態と機能低下の概念を同じものとしてみなすと、疾病の種類によって、死亡率や機能低下・不全として現れる影響も異なるという事実を見逃してしまう。関連するこれらの概念を区別するとともに、機能不全の背景にある要因を明確にすることが重要である。 3)本研究では、地方自治体などの関係者と話し合いをもちながら理解・協力を得た結果、住民台帳から対象者を募集することができた。研究結果については、国内外の学術雑誌にいくつかの論文として提出した。データの分析は継続中であり、今後も出版を予定している。さらに、先行研究で得られたデータは、新たな研究として深めていくために利用できる。本研究は、「沖縄百寿者研究(OCS)」および「ホノルルハートプログラム(HHP)」、「ニューイングランド百寿者研究(NECS)」との共同研究として、すでに好調にすすめられている。
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Research Products
(8 results)