2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗原性変異インフルエンザウイルス出現の早期発見の決め手
Project/Area Number |
18590617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中川 俊正 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30237226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 直子 神戸市環境保健研究所, 微生物部, 研究員 (10280835)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 抗原性変異 / 一塩基多型検出迅速法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インフルエンザウイルス流行株から分離したウイルスが変異株かどうかを簡単に検出する方法の確立である。通常は、リアルタイムPCR法でプローブを作成しFRETにより増幅した微弱なシグナルを検出する方法が一般的である。問題は、プローブのコストが高く、またプローブ作成の条件が厳密であるため目的の遺伝子多型の条件が合わなければプローブが作成できない。プローブ法以外にはサイバーグリーン色素を混合し遺伝子増幅の後、融解温度曲線をプロットして曲線の変化で観察する方法がある。しかし、サイバーグリーン色素はDNAの2本鎖に結合するが、融解時に均一に色素が遊離せず、2本鎖の他の場所に移動する、色素が偏在する問題がありプローブなしの一塩基多型の検出は困難と思われていた。 今回、我々が取り組んでいる検出法は、新しく開発された色素LCGによりプライマーを使う通常のPCRだけで簡便に効率よく遺伝子多型を検出できる。最初、きれいな融解曲線をプロットすることが出来なかったが、いくつかの条件や試薬を変更したところ、問題はDNAポリメラーゼであるTaqのエラー率の高さにあることがわかった。以後、解析が精度よく行われており、B型インフルエンザが大流行したシーズンに分離できたいくつかの流行株において一塩基多型をもつウイルスと元のウイルスが混在したウイルスの存在が証明できた。現在、混合比を検討しているが、ヒトの一塩基多型と異なり、ウイルスの混合率が求められれば、インフルエンザウイルスに感染した個人においてワクチン株と変異を起こした株の両方が混在している事が確実となり、新しい知見となる。以上、計画は順調に進展している。
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Research Products
(4 results)