2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症は動脈硬化性心血管リスクを高めるか-無作為標本集団の10年追跡による検討
Project/Area Number |
18590619
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
玉置 淳子 Kinki University, 医学部, 講師 (90326356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
平野 豊 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (40218805)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 椎体骨折 / 動脈硬化 / 循環器疾患 / 頚動脈内中膜壁厚 |
Research Abstract |
平成19年度は、骨粗鬆症が、動脈硬化性心血管疾患発症のリスクを高めるかどうかの検討を目的とした。まず、データベースを構築し平成18年時調査を受診し、べースライン時に50歳以上で循環器疾患や膠原病の既往者を除いた女性613人を解析対象とした。このうち循環器疾患発症者は21名で、有経者で2.7%(5/160)、閉経期女性で1.7%(1/58)、閉経後年数10年未満の女性で2.5%(4/159)、閉経後10年以上で5.3%(11/208)であった。4群毎に循環器疾患発症に関するべースライン時の骨粗霧症との関連について多変量ロジスティック回帰分析を行った結果、いずれの群でも有意な関連は認められなかった。しかし、閉経後年数が10年未満の女性で調整変数として年齢、身長、体重、総コレステロールHDLコレステロール比、ベースライン時の高血圧、糖尿病、喫煙を投入したモデルで、2.5以上-1未満の腰椎における低骨量の調整オッズ比が36.76(p=0.073)と、有意ではないが循環器疾患の発症リスクが高くなる傾向をみとめた。平成19年度は、.母体であるJPOS studyの平成18年調査の未受診者739名を対象に、平成18年度より引き続き補完調査を実施し、241名の有効回答を得た。脳卒中または心筋梗塞の既往者は11名であった。 このデータを含めた計839名についての同様の解析でも、いずれの群でも有意な関連は認めなかった。平成18年時調査の受診の有無で、閉経後10年未満の群で調整に用いた要因に明らかな違いはみられなかったが、受診の有無別で両集団が異なる特性を持っている可能性は否定できない。 閉経後10年未満の女性では腰椎の骨量低下者では、他のリスク要因と独立して心血管疾患の発症リスクが高くなる可能性が示唆され、今後さらなる検討が必要と思われる。
|
Research Products
(1 results)