2007 Fiscal Year Annual Research Report
適応型テストによるメンタルヘルス評価法の開発および学校・職域への適用に関する研究
Project/Area Number |
18590620
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
岩田 昇 Hiroshima International University, 心理科学部, 教授 (80203389)
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Keywords | Computerized-Adaptive Teting / メンタルヘルス / ストレス / 項目反応理論 |
Research Abstract |
本年度は,下記3課題を実施した。 (1)うつ症状評価用CAT(Computerized-Adaptive Testing)を内装した総合的ストレス評価システム(労働者用)の開発 回答者のdemographicsや生活時間構造,仕事ストレッサー,ソーシャルサポートなど,メンタルヘルス状態に関与する様々な要因に関する質問項目を,文献レビューに基づいて選択した。項目づつ画像ファイル化し,尺度ごとにモジュールとしてコンピュータ型の測定ツールとした。回答結果から各側面の状况をグラフ化し,『問題なし』〜『要改善』までの3段階に暫定的に区分して,各対応するコメント文書を提示するフィードバック画面も別途開発した。これらのモジュールを,昨年度開発した,うつ症状測定用CATシステムに結合させ,労働者用の総合的ストレス評価システム初版を構築した。中断機能も追加した。 (2)CATシステム初版の職場試用 開発した総合的ストレス評価システム(労働者用)初版を1事業所で試用し,約400名から回答を得た。その結果,(1)平均10項目でCATによるメンタルヘルス推定は終了,(2)質問の画面提示から回答が得られるまで平均約8秒,(3)識別力の大きな質問項目が選択提示される傾向が顕著などの結果を得た。調査は,本システムを圧縮ファイルの形で配布し,各回答者が解凍、実行する方法をさったが,圧縮ファイルの解凍不十分の状態で回答始めた場合の不具合の発生などの問題が見られた。フィードバックに関しては,カラフルで非常に分かりやすい,結果がその場で分かって良いなどの評価を得た。 (3)思春期メンタルヘルスッール開発のための基礎の検討 主に中学校におけるメンタルヘルス活動の補助的ツールとして,WHO推奨のSRQという簡易調査票を選択し,(1)標準的back-translation手続きによる日本語版の開発,(2)中学校約2000名を対象とした予備調査の実施,(3)多値型IRT分析による複数の回答選択肢(2択〜4択)の識別力の比較などを行った。次年度,CATシステムを構築するための準備が整った。
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Research Products
(5 results)