2009 Fiscal Year Annual Research Report
適応型テストによるメンタルヘルス評価法の開発および学校・職域への適用に関する研究
Project/Area Number |
18590620
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
岩田 昇 Hiroshima International University, 心理科学部, 教授 (80203389)
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Keywords | Computerized-Adative Testing / メンタルヘルス / ストレス / 項目反応理論 |
Research Abstract |
本年度は、下記2課題を実施した。 (1)総合的ストレス評価PCソフト(労働者用)の完成 項目反応理論(IRT)に基づくうつ症状測定項目の識別力・重篤度情報を活用した、コンピュータを用いたうつ症状評価用IRT-CATを内装した総合的ストレス評価システム(労働者用)を完成させた。このシステムは、回答者のdemographicsや生活時間構造、仕事ストレッサー、ソーシャルサポートなど、メンタルヘルス状態に関与する様々な要因に関する質問項目を尺度ごとにモジュールとし、全体で約80項目(うつ評価に要する項目数はCATのため個人ごとに異なる)で構成される測定ツールである。回答結果から各側面の状況をグラフ化し、『問題なし』~『要改善』までの3段階に暫定的に区分して、対応するコメントのフィードバック画面も備えている。このシステムは、施行毎に別の識別IDが付されるため、何度でも実施可能であり、また中断機能もあるため、産業現場への適用が非常に容易である。 (2)思春期メンタルヘルスツール開発のための基礎的検討 思春期用CATシステム開発のための基礎資料として、SRQ-20(Self Reporting Questionnaire)の日本語版を作成し、国内で汎用されているPSI中学生用ストレス反応尺度および思春期用のパールソン自己記入式抑うつ評価尺度(DSRS-C)とともに、中学生に試行し、IRTによる検討を行った。SRQ-20は、WHOが開発した、国際的に評価されている簡便な精神障害(うつ病や不安障害)のスクリーニング法である。本来の2件法と日本の中・高生への適用しやすさを考慮した3・4件法もデータ収集し、何件法が最も心理測定法的に優れているのかの検討を行い、3件法が望ましいとの結論を得た。今後、SRQ-20日本語版3件法をCAT化し、思春期用メンタルヘルス測定システムの構築を試みる予定である。
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[Journal Article] Cross-cultural comparability of measurement of occupational stress in era of globalization2009
Author(s)
Tsutsumi A, Iwata N, Watanabe N, de Jonge J, Pikhart H, Fernandez-Lopez JA, Liying XU, Peter R, Knutsson A, Niedhammer I, Kawakami N, Siegrist J.
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Journal Title
International Journal of Methods in Psychiatric Research 18
Pages: 58-67
Peer Reviewed
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