2007 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者のニーズ分析に基づく口腔ケアシステム開発に関する研究
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18590622
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
三浦 宏子 Kyushu University of Health and Welfare, 保健科学部, 教授 (10183625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅安 誠 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (00320490)
山崎 きよ子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (20331150)
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Keywords | 要介護高齢者 / 口腔ケア / 誤嚥リスク / 日常生活機能 / 地域保健 / ニーズ分析 |
Research Abstract |
介護保険サービスを利用している要介護高齢者の家族介護者100名を対象にして、口腔ケア関連要因を評価した。その結果、口腔ケアサービスを利用した経験のある者は5%であった。また、口腔ケアについての指導を受けたことがある者は7%であり、サービスの利用状況とほぼ一致していた。また、要介護高齢者の口腔保健状況を客観的に評価するために、口腔保健関連QOL評価スケールのひとつであるGOHAIを用いてスコアを算出した。GOHAIスコアが低い場合、口腔保健の障害因子があることを示しており、何らかの口腔ケアを必要としているものと考えられるが、GOHAIスコアと有意な関連性を有した要因は嚥下機能、日常生活機能(ADL)であった。 次に、上記の結果を受け、より詳細な分析を行うために、虚弱高齢者85名を対象に誤嚥リスク、ADL、口腔細菌検査を行った。本研究では上気道感染症原因菌を含む10種の口腔日和見細菌についての検出を行い、いずれかの菌が検出された場合、「日和見感染リスクあり」と評価した。嚥下障害については2段階水飲みテスト法を用いて誤嚥リスクを評価し、ADLについてはADL20スコアが40以下の者を「ADL低下リスクあり」と評価した。その結果、誤嚥リスクを有し、かつ口腔日和見菌が検出された者は21.2%であった。また、低ADLであり、かつ誤嚥リスクを有し、口腔日和見菌が検出された看は9.4%であった。 これらの結果より、嚥下機能、ADL、口腔細菌評価を組み合わせることにより、ロ腔ケアニーズのカテゴリー化が可能となることが明らかになった。3要因すべてに問題がある場合では、口腔ケアニーズは高レベルと判断され、専門的口腔ケアの実施が必要となる。また、いずれかの2要因のみに問題がある場合は、口腔ケアレベルは中レベルと判断され、セルフケアを中心とした口腔機能向上プログラムの適応が望ましいと考えられた。
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[Book] 嚥下障害とPEG2008
Author(s)
三浦 宏子
Total Pages
17-21
Publisher
フジメディカル出版
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より