2006 Fiscal Year Annual Research Report
心不全病態における一酸化炭素とヘムオキシゲナーゼ(HO)-1の関与について
Project/Area Number |
18590629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上村 公一 東京大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30244586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙一 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40166947)
木村 博子 順天堂大学, 医学部, 講師 (00053299)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 心不全 / ラット / 培養細胞 / ヘミン / 蛋白量 / mRNA |
Research Abstract |
一酸化炭素の心不全病態への関与について研究するために、平成18年度は予備的実験として、培養細胞と動物について、ヘムオキシゲナーゼ(HO)-1の誘導条件の検討をこれまでの文献報告をもとにして行った。(1)培養細胞では、株化されたラット胎児心筋由来のH9c2 cellを用いた。HO-1の誘導法として、低酸素下(2%)、3μM heminを培養液に加え、20時間培養する方法を行った。その結果、western blotting法で検討したところ、HO-1の蛋白量は約3倍まで増加した。この条件下では、細胞内カルシウム濃度は減少していることを確認した。また、低酸素、glucose除去、血清除去という虚血類似の条件では、その細胞死に対して、HO-1誘導細胞は抵抗性を示すことを確認した。(2)動物については、4週齢の雄生SDラットを用いた。HO-1の誘導剤として、Co(III) Protoporphyrin IX chloride(CoPyP)を生理食塩水に溶かし、体重1kgあたり、5.0mgを皮下に隔日で1〜4回にわたり投与して、比較検討した。その結果、心臓におけるHO-1の蛋白量は、western blotting法で検討したところ、投与回数が3回までは、回数依存的に増加したが、4回投与ではさらなる増加は見られなかった。3回投与では、蛋白量は約20倍まで増加した。さらに、mRNA量について、real-time PCR法で検討したところ、3回投与で、約15倍まで増加した。一方、肝臓においても、同様の方法で、蛋白量、mRNA量について検討したところ、心臓と同程度の増加が確認された。これらのことから、ラットにおけるHO-1誘導は、CoPyPを体重1kgあたり、5.0mgを皮下に隔日で3回投与することが適当であるとの結論を得た。
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