2007 Fiscal Year Annual Research Report
心不全病態における一酸化炭素とヘムオキシゲナーゼ(HO-1)の関与について
Project/Area Number |
18590629
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上村 公一 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30244586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40166947)
木村 博子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00053299)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 心不全 / ラット / 敗血症 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
一酸化炭素の心不全病態への関与について研究するために、平成18年度はラットにおけるHO-1誘導の実験を実施し、Cobalt protoporphyrin (CoPyP)を体重1kgあたり、5.0mgを皮下に隔日で3回投与することが適当であるとの結論を得た。この結果をもとに、平成19年度はラットの心不全モデルの作成を試み、一酸化炭素の効果を確認しようとした。心不全モデルとして、敗血症時に心不全が生起されることから、敗血症状態を用いた。そのため、大腸菌の菌体内毒素であるLPSを15mg/kg-BW腹腔内に1回投与することにより、敗血症状態を生起させた。LPS投与により、ラットは直ちに活動性が低下し、敗血症に陥っているものと考えられた。その時、心不全も惹起され、ミトコンドリア機能が低下していることが予測された。ミトコンドリアも機能の指標として、ラットの心臓から単離したミトコンドリアの呼吸商(respiratory control index:RCI)がある。RCIはLPS投与1時間後に-過性に少し上昇し、その後もとのレベルに戻った。したがって、この実験条件では、ミトコンドリア機能低下は確認できなかった。さらに、CoPyP5.0mg/kg-BW、3回投与により、HO-1を誘講したラットに15mg/kgLPSを投与したが、HO-1誘導がRCIに影響は与えなかった。結論として、HO-1の誘導は成功したが、心不全モデルの作成は不成功であった。LPS15mg/kg-BWの1回投与は、心不全モデルとして不十分であり、今後は、投与量を増やす、また、投与回数を増やす等の検討を行い確実な心不全モデルの作成を実現する必要がある。
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