2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590643
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中村 茂基 Kitasato University, 医学部, 講師 (70130268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 克由 北里大学, 医学部, 教授 (90138123)
古川 理孝 北里大学, 医学部, 講師 (90051911)
村上 千香子 北里大学, 医学部, 助教 (30433717)
|
Keywords | 心筋症 / ミオシン結合蛋白C遺伝子 / 心臓性突然死 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
心筋症(CM)は突然死をきたすことから、臨床的にも注目されており、現在までに9種類のサルコメアを構成する遺伝子が原因遺伝子として同定されている。本年度はミオシン結合蛋白C遺伝子(MYBPC3)について変異解析を行った。対象症例はすでにご遺族から同意を得た肥大型心筋症(HCM)12例、拡張型心筋症(DCM)10例、不整脈原性右室心筋症(ARVC)1例であり、血液試料からQuick Gene-800(FUJIFILM)を用いてDNA抽出を行った。また、対照にはすでに連結不可能匿名化して保存されている特記すべき疾患のない健常人18例を用いた。MYBPC3のExon2〜35についてプライマーを作製し、ダイレクトシークエンスにより塩基配列決定を行った。MYBPC3遺伝子の変異解析を行ったところ、HCM症例およびDCM症例各1症例のExon19Codon593でT(塩基番号11645)の-塩基欠損(Ser593fs:1)が検出された。なお、対照症例に変異は検出されなかった。変異の検出されたDCM症例ではすでに報告したMYH7遺伝子およびTNNT2遺伝子においても変異が検出されており、発症には複数のサルコメア構成遺伝子が関与している可能性も示唆された。DCMの発症原因の詳細は不明であるが、一部では家族内発症がみられることより遺伝的素因の関与も考えられている。本症例では複数のサルコメア構成遺伝子に変異が見られていることから、HCMからDCMに進展した可能性も考えられた。さらに、Exon14にSNPが検出されたが、遺伝子頻度を算出したところ対照症例とCM症例との間で遺伝子頻度に有意な差は認められなかった。また、Odds比を求めたところ相関性は認められなかった。以上より、本研究は突然死の死因究明並びに心筋症の早期診断に有用であることが示された。
|
Research Products
(4 results)