2008 Fiscal Year Annual Research Report
新液-液抽出法と組合せたデュアルカラムHPLCの開発と分析ルーチンの確立
Project/Area Number |
18590646
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉田 学 Kansai Medical University, 医学部, 准教授 (20122004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤根 敦 関西医科大学, 医学部, 教授 (70202520)
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Keywords | 薬毒物 / 抽出 / 親水性有機溶媒 |
Research Abstract |
1. NaCl-アセトニトリル抽出法の有機溶媒物質への応用 キシレンとして市販されている製品にはキシレンの3種類の異性体とエチルベンゼンが含まれているものもある。このことからこれら4成分を対象としてHPLCで分析を試みた。NaCl-アセトニトリル抽出法ではいずれの成分もアセトニトリル相から検出された(98.9〜99.7%,上下相ピーク面積百分率,n=5)。分離条件はカラム:Cosmosil 5C22-AR-II 4.6 mm I.D.×150mm(ナカライテスク)。移動相:Methanol/0.1%TFA=65/35, 0.7 ml/min,紫外吸収検出器波長:210nmで分離が可能であった。検量線はいずれの物質も0.15〜5μg/mlの範囲で直線性が認められ,相関係数はいずれも0.9951以上であった。また変動係数は1%であった。本法をキシレン含有農薬中毒2事例で応用したところ実用性ある結果を得た。 2. カラム温度による流量の調整法の検討 カラム圧の調整をカラム温度の設定によって制御する方法を検討した。その結果,カラム温度を低く設定するとカラム圧が高くなる傾向が認められた。このことからデュアルカラムの場合,カラム温度によってカラム圧を調整することによって互いのカラム流量を調整することが可能であることが示唆された。また6種類の薬物(リドカイン,フェノバルビタール,ジアゼパム,トリアゾラム,アミトリプチリン,クロルプロマジン)の保持時間からカラム温度と分離の関係を調べたところカラム設定温度と各薬物の保持時間とは同じ傾向を示さず薬物によって特徴のある変化が認められた。このことから保持時間による同定にも応用できることが示唆された。また理論段数はカラム温度を低くすると悪くなる傾向が認められたが実用性に耐える範囲であった。以上,分析法として温度調節による分離・分析が可能であることが見いだされた。
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Research Products
(5 results)