2007 Fiscal Year Annual Research Report
ルイス式血液型責任遺伝子FUT2とFUT3の多型解析と合成機構の解明
Project/Area Number |
18590647
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
副島 美貴子 Kurume University, 医学部, 助教 (80279140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
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Keywords | FUT2 / FUT3 / ルイス式血液型 / 糖転移酵素 |
Research Abstract |
FUT2のタンパクコード領域は集団特異的な多型に富むことが知られている。我々はオバンボス人(ナミビア),トルコ人,モンゴル人のFUT2について多型解析をおこなった。その結果3つの集団に24個の多型を同定したが,そのうち7つは新規の多型であり,培養細胞を用いた発現実験により,そのうち3つが不活性化変異であることが分かった。3つの集団の対立遺伝子はそれぞれの集団に特徴的なものから成り立ち,これまでに調べられた近隣の集団のものと類似していた。これらのことから,FUT2の多様性は地理的な背景と人種の移動の歴史を反映しているものと想像された。 さらに,モンゴル人集団でのse^<fus>のスクリーニングの結果,1サンプルに,se^<fus>と同じ大きさのPCR産物を認めたが,FUT2の遺伝子型がヘテロであることから,このサンプルがse^<fus>を持つことに矛盾した。 このため,se^<fus>以外の組換え体が存在する可能性を考え,SeclをPCR増幅し,シークエンス解析をおこなったところ,se^<fus>の片方のアリルが中央部にse^<428>と完全に一致する配列を有しており,このSeclアリルはSeclとse^<428>間の遺伝子組換えによって生じたのではないかと考えられた。なお,本アリルをSecl-FUT2-Sectハイブリットアリルと命名した。このアリルは日本人を含む幾つかの集団には見出されずその頻度は低いと予想されるが,se^<fus>の擬陽性判定を起こす可能性がありプライマーの設定には注意を要することが示された。 現在,3つの人集団におけるFUT3の多様性について解析をおこなっている。
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