2006 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化予防のための糖尿病・高脂血症の患者効用値を考慮した治療判断における研究
Project/Area Number |
18590652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小泉 順二 金沢大学, 医学部附属病院, 教授 (20161846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 英樹 金沢大学, 医学部附属病院, 助教授 (80313667)
北谷 真子 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (50401922)
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Keywords | 血糖管理目標 / 治療判断 / KJ法 / 糖尿病 / チーム医療 / 効用値 |
Research Abstract |
糖尿病などの治療判断にかかわる諸要因を検討するために以下の検討を行った。 石川県医師会員1,600余名全員に対する糖尿病患者の血糖管理目標値および治療変更を考える血糖値(変更値)のアンケート調査結果の検討より、回答は内科を専門とする医師および自信のある医師より多く得られ、、医師の専門性と糖尿病治療の自信の影響が示唆された。多くはぐ日本糖尿病学会のガイドライン基準の優または良の血糖値を目標としていたが、内科を専門とする医師は他の専門とする医師よりやや高めの血糖を設定する傾向がみられた。 糖尿病薬物治療判断における医師と看護師の考え方を検討した。糖尿病を専門とする医師と総合診、療医でKJ法を行った。(1)病態を考慮して患者アウトカムを考える、(1)患者アウトカムを変えうる薬剤を想起する、(3)薬剤の選択にあたって、薬物の薬理学的特徴、患者のアドヒアランス、患者の望むアウトカムミソーシャルサポートなどを考慮する、(4)実施にあたっては、年齢や患者の治療態度なども考慮して社会的に妥当な治療かどうかを検討する、(5)医師と患者のコミュニケーションの良否や、診察時の医師の忙しさ、患者への感情も薬物治療の実施の判断に影響を与える、との考えが抽出された。看護師の検討では、患者の特性や生活面での配慮が指摘され、薬物治療の実施にどのようにかかわるかは医師との関係、職場の雰囲気が影響する、などチーム医療としての立場が示された。医師と看護師では異なる観点で薬物治療の必要性を捉えていることが示唆された。さらに、患者の考えを明らかにするために患者によるKJ法はすでに実施しており、現在分析を進めている。どれらの結果よりチーム医療のなかにおける医師および患者の薬物治療判断における考え方が明らかにされると考えられ、今後、これを基にアンケートを作成し、実施する予定である。また、主治医よ_り糖尿病患者の血液データと治療法をアンケートにより調査し、医師の治療目標への考え方との関係を検討する予定であり、治療判断において医療者や患者がかかえている状況をどのように把握しているかを測定するために効用値を検討する準備を始めている。
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Research Products
(2 results)