2007 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化予防のための糖尿病・高脂血症の患者効用値を考慮した治療判断における研究
Project/Area Number |
18590652
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小泉 順二 Kanazawa University, 医学部附属病院, 教授 (20161846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 英樹 金沢大学, 医学部附属病院, 准教授 (80313667)
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Keywords | 治療判断 / 血糖コントロール / 医師への患者満足度 / チーム医療 / 患者アウトカム |
Research Abstract |
前年度は,石川県医師会員1,600余名全員に対する糖尿病患者の血糖管理目標値および治療変更を考える血糖値(変更値)のアンケート調査,および,糖尿病薬物治療判断における医師と看護師の考え方をKJ法で検討した。本年度は,内科個人診療所医師とそこに通院している糖尿病患者へのアンケート調査と臨床データを検討し,薬物治療判断に関わる考え方の違いを明らかにし,患者のアウトカムとどのような関係があるかを検討した。32名の内科個人診療所医師とそこに通院する連続10名の糖尿病薬物治療患者より患者の医師への満足度を含むデータを回収した。その結果,薬物治療判断の際に考慮して欲しい項目には患者と医師で差が認められ,患者から希望を聞き判断していることが時々しか行われていない状況が示唆された。また,医師の血糖コントロール目標と患者の血糖コントロールとの関係を検討したが,患者の補正されたAlc値の医師ごとの平均値と医師の成人糖尿病症例での目標Alc値との間で最も強い関係(Spearman ρ=0.580,p<0.01)が見られたが,高齢者症例の目標値との関係(ρ=0.113)は認められなかった。さらに,医師への患者満足度と血糖コントロールに弱いながらも相関関係が認められた。従って,患者の血糖コントロールにおいては,医師の考え方が高齢者より成人の糖尿病で強く影響する可能性が示唆された。これらより,医師と患者およびそれを取り巻く看護師に代表されるコメディカルとのチーム医療におけるコミュニケーションのあり方は患者アウトカムに影響することが示唆された。現在,患者における効用値測定の準備を進めている。外来通院中の糖尿病、高脂血症患者において,狭心症、心筋梗塞発症の効用値の測定と同時にSF-36によるQOLの測定を行う予定で,SF-36の使用ライセンスはすでに取得した。
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Research Products
(8 results)