2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590659
|
Research Institution | Akita University of Nursing and Welfare |
Principal Investigator |
佐々木 英忠 Akita University of Nursing and Welfare, 看護福祉学部, 学長 (20004731)
|
Keywords | 経管栄養 / 終末期医療 / 寝たきり |
Research Abstract |
要介護老人の終末期管理栄養する人は1年間で6万人おられる。経管栄養の実施をめぐって世界的には否定的意見が出ているが、日本では経管栄養後の予後に関する調査がなく、医療者側と家族側にとまどいがみられる。 本研究では163人の終末期経管栄養を実行した患者の予後調査を前向きに1999年から開始し、2007年まで追跡調査し、死亡までの期間や死亡の因子を分析し、今後、経管栄養実施すべきか否から判断材料になることを目的にした。 結果は経管栄養後、肺炎に罹患しない期間(x)と経管栄養後死亡までの期間(y)はy=1.01x+162(日)(P<0.001)と相関した。又、寝たきり後経管栄養しない期間(x)と経管栄養後死亡までの期間(y)はy=-0.25x+448(日)(p<0.001)と反比例した。 結論は経管栄養後一旦肺炎に罹患すれば平均3回肺炎を繰り返し、約半年で死亡する。寝たきり半年以上では、経管栄養しても半年で死亡するこいうことから、寝たきり半年以上の患者さんでは経管栄養をしても予後は半年のみである。特に経管栄養後一旦肺炎に罹患すれば、肺炎を何回も繰り返し予後不良であると言えた。寝たきり後半年以内なら経管栄養によって長生きする患者もいるので経管栄養を否定できないが、長年経管栄養で死亡まで過ごせるかは家族の意向にかかっていよう。
|