2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590664
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (10307853)
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Keywords | EBウイルス / 胃がん / EBER / RIG-I / IGF-I |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究で、EBウイルスが胃上皮細胞に感染すると、Insulin-like growth factor(IGF)-1の発現が誘導され、そのオートクライン作用により感染細胞の増殖が促進されるということ、またIGF-1の発現誘導の責任遺伝子はウイルスの小RNAであるEBERであることが明らかになった。さらにEBERによるIGF-1の発現誘導がいかにしておこるかを解明し、結果EBウイルスによる胃がんの発生のメカニズムを明らかにすることを目的とし本研究をおこなっている。EBERは2本鎖RNA(dsRNA)構造をもつ。我々はこの点に着目し、細胞内のdsRNA認識分子であるRetinoic acid-inducible gene (RIG)-IとEBERが相互作用するかどうかについて検証をおこなった。その結果、バーキットリンパ腫(BL)細胞においてEBERがRIG-Iと相互作用しこれを活性化、下流の分子であるIRF-3およびNF-κBを活性化し、インターフェロン発現を誘導するということを明らかにした。さらにEBERによるRIG-Iの活性化によってサイトカインの産生誘導がBL細胞においておこっていることを見出した。続いてEBERとRIG-Iの相互作用がEBウイルス感染胃上皮細胞においても起こっているかどうかについて検証をおこなった。その結果、胃上皮細胞においてもEBERによるRIG-Iの恒常的な活性化が起こり、IRF-3およびNF-κBが活性化されているということを見出した。EBERによるRIG-I活性化がIGF-Iの発現誘導に寄与していると考えられ、現在さらに詳細な解析をおこなっている。
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