2007 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患におけるマクロファージ遊走阻止因子の機能解明と新規治療の開発
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18590665
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大川原 辰也 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 客員研究員 (00374257)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / マクロファージ遊走阻止因子 / ケモカイン / デキストラン硫酸誘導大腸炎 / ワクチン治療 |
Research Abstract |
マクロファージ遊走阻止因子(MIF)は活性Tリンパ球より分泌され遅延型アレルギー反応など細胞性免疫に関与する液性因子として発見され,様々な炎症性疾患でMIFの発現が増強し病態の増悪に関与する因子である.炎症性腸疾患におけるMIFは病態形成において重要な役割を持ち、また治療のターゲットとして注目されている。本研究課題は、MIFノックアウトマウスにおける腸炎発症の解析およびMIFのin vitroでの機能を検討し,さらにTヘルパーエピトープMIF-DNAワクチンなど新規治療法を開発することを目的としていた。 MIFノックアウトマウスにおいてデキストラン硫酸誘導大腸炎モデル(DSS腸炎モデル)が殆ど発症しない機序としてケモカイン産生抑制を介することを解明した(論文投稿中).さらに潰瘍性大腸炎患者の白血球除去療法のメカニズムにMIFが関与していることも解明した(Ohkawara, et. al. Intern Med, 2007).また、ThエピトープMIFDNAワクチンによるDSS腸炎モデルでの炎症抑制効果が組織学的、臨床所見、ケモカインおよび接着分子発現亢進の抑制により確認された(論文投稿中).一方、Colitic cancerにおけるMIFの役割についてAzoxymethaneとデキストラン硫酸投与による動物モデルで、MIFノックアウトマウスでは腫瘍産生が著明に抑制されていることが解った。本研究により、腸炎におけるMIFの役割解明や治療応用開発は着実に進行していると考えられる。
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Research Products
(2 results)