2006 Fiscal Year Annual Research Report
p53細胞内局在の変化による消化器がんの抗がん剤感受性増強効果に関する研究
Project/Area Number |
18590668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 俊介 東北大学, 大学病院, 助手 (40312657)
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Keywords | p53 / 安定発現形 / 抗がん剤感受性 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
様々な特性を持っp53ミスセンス変異体5種類(RNA polymerase IIとの結合ができないため転写活性化能を喪失しているL22Q+W23S、アポトーシスに関与する遺伝子群の転写活性化能が欠失しているS46A、野生型よりもアポトーシス誘導能が強いS121F、H214Q、ヒト腫瘍で多く観察されるいわゆるホットスポット変異Rl75H)と、細胞質内への移行が阻止されるR306G、さらに前述の各変異体とR306Gとの二重変異体5種類、さらにコントロールとして野生型p53と発現カセットのみを加えた、計13種類のp53変異体発現カセットを作成した。 次いで、テトラサイクリン内因性p53欠失細胞で、Tetracycline promoter repressorを含有するSF126細胞(ヒト神経膠芽腫由来)とSaOS2(ヒト骨肉腫由来)に、FlpリコンビナーゼとFRT配列を利用して、部位特異的な組み換えを用いて、染色体の特定の位置にこれらp53変異体発現カセットを挿入することを試みたが、FRT配列を組み込むことができず安定発現株の樹立ができなかった。 そのため急遽、方法を変更し、各p53変異体がat random導入されたと安定発現株を、変異体ごとにそれぞれ5から10クローン単離、樹立した。今後は、これら変異体安定発現株のp53発現誘導能を確認後、抗がん剤感受性やアポトーシス誘導能の機能解析を行う予定である。 また、同時に細胞内局在に変化を与えるような各種シグナル伝達阻害剤(カフェイン、leptomycinBなど)で、野生型p53を安定発現するSF126-p53細胞株を処理して、p53の局在に変化を与えてみることを試みたが、細胞内局在を変化させる有効濃度では細胞のviabilityに影響を与えてしまうため、何らかの対策が必要であると考えられた。
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