2006 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキンー22を標的とした炎症性腸疾患に対する分子標的療法確立の基礎検討
Project/Area Number |
18590676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
安藤 朗 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90252395)
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Keywords | IL-22 / IL-17 / 大腸炎モデル |
Research Abstract |
インターロイキン(IL)-22の生理活性についてヒト筋線維芽細胞を用いて明らかにし、炎症性腸疾患の病態への関与の検討から炎症性腸疾患の病態の新たな側面を追求し、さらに、これらの知見とその応用による新たな治療法の開発をめざした。IL-22の炎症性腸疾患患者粘膜における発現を検討するため免疫組織化学法にて検討した。大腸組織中のIL-22変生細胞の同定のために抗ヒトIL-22抗体と抗CD68もしくは抗CD3抗体を用いた蛍光二重染色から、炎症性腸疾患特に活動期の潰瘍性大腸炎とクローン病患者の病変粘膜にてIL-22陽性細胞の数的増加を確認した。また、IL-22R1の発現は、上皮細胞を中心に認められ、その発現は正常粘膜、炎症性腸疾病変において差を認めなかった。ヒト筋線維芽細胞を用いた検討から、IL-22がSTAT3、MAPキナーゼを活性化すること、これらにともなって、IL-6,IL-11、LIFなどの産生が誘導されること。IL-17との間に相乗作用を認めることなどが明らかとなった。IL-22transgenic miceの作成については、マウス牌細胞よりRT-PCR法によりIL-22 cDNAのcloning済みであり、これをSV40プロモータをもつpCAGGS vectorに挿入してあり、いつでも次の段階に進める状態にまで達している。これらの結果を踏まえて、来年度は、さらなるIL-22の意義について追求する予定である。
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