2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規ケモカインCXCL16制御を目的とした炎症性腸疾患に対する治療開発
Project/Area Number |
18590677
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲瀬 裕志 京都大学, 医学研究科, 講師 (60362498)
|
Keywords | 炎症性腸疾患 / ケモカイン / 樹状細胞 / CXCL16 |
Research Abstract |
平成18年は主としてマウス腸炎モデルにおけるCXCL16の役割を検討した。(1)野生型マウスに3%のデキストラン硫酸(分子量36から50kD)を5日間投与することにより、潰瘍性大腸炎類似の腸炎モデルを作製する。さらに、トリニトロベンゼンスルホン酸を経直腸的に投与することによりクローン病類似の腸炎モデルを作製した。その後、腸炎の誘導と同時に500μgの抗CXCL16抗体を5日間投与した。その結果、抗体治療群で肉眼的、顕微鏡学的に腸管炎症の程度が有意に軽減されていた。また、腸間膜リンパ節を単離し、CD3抗体および腸管内抗原にて刺激を行った結果、治療群において、培養上清中の炎症性サイトカインは有意に低下していた。さらに、CXCL16ノックアウトマウスに上記と同様の腸炎誘発を行った結果、CXCL16ノックアウトマウスではほとんど腸炎が誘導されなかった。(2)CXCL16ノックアウトマウスと自然腸炎発症モデルであるIL-10ノックアウトマウス(クローン病類似モデル)およびTCRα受容体ノックアウトマウス(潰瘍性大腸炎類似モデル)を掛け合わすことにより、CXCL16IL-10ダブルノックアウトマウスおよびCXCL16TCRα受容体ダブルノックアウトマウスを作製する。その後、4週、8週、12週、16週後ごとに自然腸炎の発症の程度を臨床症状および組織学的に評価した結果、両ダブルノックアウトマウスにて、腸炎が軽減される傾向が認められた。これらのことから、腸炎発症におけるCXCL16の重要性が示唆された。
|
Research Products
(6 results)