2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ケモカインCXCL16制御を目的とした炎症性腸疾患に対する治療開発
Project/Area Number |
18590677
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲瀬 裕志 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (60362498)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / ケモカイン / 樹状細胞 / CXCL16 |
Research Abstract |
【平成18年の結果&背景】平成18年の実験結果から、CXCL16制御により実験腸炎マウスおよび自然発症腸炎マウスモデルにおける腸炎が改善することが証明された。【目的】平成19年度はCXCL16の腸炎制御機構の解明のため、自然免疫に重要とされている樹状細胞(dendritic ce11:DC)に注目し、DCにおけるCXCL16の腸管内抗原に対する免疫反応を検討する。【方法】(1)CXCL16KOおよび野生型マウス大腸組織より樹状細胞を単離後、腸管内抗原により刺激、各々の樹状細胞からのサイトカイン産生(2)CXCL16のシグナル伝達の解明(3)各樹状細胞と腸管内CD4陽性リンパ球との共培養後のサイトカイン産生。【結果】(1)抗原刺激後、野生型から単離されたDCのIL-12の産生に比して、CXCL16KOマウスDCのIL-12の産生は有意に低下していた。(2)IL-12産生はproteasome inhibitorであるMG132の投与(主としてNF-kappaBの抑制)で、抑制されることが証明された。従って、CXCL16のシグナル伝達系は腸管内抗原認識後、NF-kappaBシグナルを介してIL-12の産生を誘導するものと考えられた。(3)野生型マウスDCと共培養された腸管内リンパ球からのINF-γ産生に比して、CXCL16KOマウスDCと共培養された腸管内リンパ球からのINF-γ産生は有意に低下していた。【結論】今回の結果から、DCにおけるCXCL16と腸管内抗原とのinteractionにより、Th1有意な免疫反応が誘導されることが証明された。この結果は平成18年にCXCL16抗体の投与が、マウス腸炎モデルを改善させる機序の1つであると考えられた。これらの結果よりCXCL16の制御が人炎症性腸疾患の新しい治療の1つになる可能性を支持するものであると考えられた。
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Research Products
(3 results)