2006 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素(CO)ガス吸入・曝露装置の開発と実験腸炎におけるその有用性の評価
Project/Area Number |
18590694
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高木 智久 京都府立医科大学, 医学部, 講師(寄附講座) (70405257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学部, 准教授(寄附講座) (00305575)
吉田 憲正 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30166962)
古倉 聡 京都府立医科大学, 医学部, 准教授(寄附講座) (80347442)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 一酸化炭素 / TNBS腸炎 / 抗炎症効果 |
Research Abstract |
ヒト炎症性腸疾患患者(潰瘍性大腸炎・クローン病)をはじめとした炎症性疾患に対する革新的な新規治療法の開発の試みとして一酸化炭素ガス(Carbon monoxide : CO)吸入曝露装置の開発、ならびに同装置を用いたCOガス吸入療法の効果の検討をマウス実験腸炎モデルに対して行った。 1,CO曝露装置は研究協力者の森田亨(東京高圧株式会社)とともに行った。その概ねの構造は1000ppmのCOガスを純空気により分割希釈することによる濃度調節法を選択し、マウスゲージを収納できるアクリル製の大型の閉鎖飼育容器に曝露する方法をとった。ガスの排気は安全性を高めるため開放系の外気に希釈廃棄することとした。この装置を用いて検討したところ持続的に安定した一定濃度のCOガス曝露が可能になり、以降の検討に耐えうるものが完成した。 2,上記装置を用いて、マウス実験腸炎モデルを用いてガス曝露による抗炎症効果を検討した。マウス実験腸炎モデルは汎用されるTrinitrobenzesulfonic acid(TNBS)腸炎モデルを用いた。TNBS腸炎作製直後より200ppmのCOガスを曝露し、3日後に病変を評価した。その結果、COガス曝露群では非曝露群に対して有意に病変の形成が抑制されていた。また、大腸粘膜内の好中球浸潤や炎症性サイトカイン産生もCOガス曝露群にて有意に改善を認めており、COガス曝露による抗炎症効果が確認された。 以上の検討から、マウス大腸炎モデルにおけるCOガス曝露による抗炎症効果が証明された。引き続き、この抗炎症効果の詳細な作用機序を検討中である。また、より安全なCOガス投与方法の一つとして注腸投与等などの検討も含めて検討していく予定である。
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