2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸上皮化生進展と胃癌発症過程におけるCOX-2の役割とCOX-2阻害剤の効果
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18590704
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂本 長逸 Nippon Medical School, 医学部, 教授 (30196092)
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Keywords | COX-2 / ヘリコバクターピロリ / 腸上皮化生 / 胃癌 / 選択的COX-2阻害剤 / Cdx2 |
Research Abstract |
選択的COX-2阻害剤セレコキシブのH. pylori感染スナネズミ胃癌発症予防効果の検討により、セレコキシブの発癌に及ぼす影響を明らかにした。H. pylori感染スナネズミ20匹中胃癌は13匹で発症したが、セレコキシブ投与群では22匹中胃癌発症は5匹であった。発症率はそれぞれ65%,23%でありセレコキシブの発癌抑制効果は有意であった。一方、腸上皮化生についても、発生はスナネズミ群で100%であったが、セレコキシブ投与により50%抑制された。腸上皮化生進展に関わるとされるCdx2発現、およびCOX-2発現はH. pylori感染スナネズミ群に比べセレコキシブ投与群で有意に抑制されたことから、セレコキシブはCdx2の発現を抑制し腸上皮化生進展を抑制していることが示唆された。セレコキシブはCOX-2活性のみならずCOX-2発現も抑制しており、COX-2を介したプロスタグランジンE2のセレコキシブによる抑制を介したCdx2発現の抑制に加えて、セレコキシブによる直接、間接的なCdx2発現抑制作用が示唆される。このように、COX-2,Cdx2発現に関与するNFkappaB転写因子のセレコキシブによる抑制が今回の検討からは強く示唆される。今回の検討ではセレコキシブは腸上皮化生の出現を抑制し、癌発症を抑制したことから腸上皮化生を介した胃発癌に対する効果よりもより早い段階で炎症反応を抑制することにより腸上皮化生への進展を抑制し発癌を抑制したともいえる。今後、腸上皮化生からの発癌に対してセレコキシブが有用か否かの検討が必要とおもわれる。
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Research Products
(1 results)