2006 Fiscal Year Annual Research Report
Caspase-1により切断されたLyGDIによる転移抑制機構の解析
Project/Area Number |
18590706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
前田 雅代 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30199632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 隆英 金沢医科大学, 付置研究所, 助教授 (10152141)
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Keywords | LyGDI / RhoGDIβ / D4GDI / RhoGDI2 / Caspase-1 / アノイキス / がん転移 / 大腸癌 / Rho |
Research Abstract |
Xpressタグを付したΔ55-LyGDI(caspase-1切断型LyGDI)をtransientに発現させた1-1src細胞(v-srcでtransformした転移性がん細胞)にアノイキスを誘導し、Xpress positive細胞においてアポトーシス細胞が増加するかフローサイトメトリー法により測定した。Δ55-LyGDI発現細胞では、非発現細胞よりもAnnexinで染色される細胞の割合が2-3倍高く、Δ55-LyGDIの発現によりアノイキスが生じやすくなっていることが確認できた。 1-1src細胞およびΔ55-LyGDIを安定発現する1-1src細胞において、アノイキス制御に関わる重要な分子であるFAK(focal adhesion kinase)の発現とリン酸化レベル、細胞内局在をウエスタン法および蛍光免疫染色法により観察した。1-1src細胞にアノイキスを誘導すると、FAKのtyr397、tyr925のリン酸化が低下し、FAKの局在が細胞質から細胞膜へと変化した。Δ55-LyGDIの発現はFAKの発現レベルや、tyr397、tyr925のリン酸化には影響を及ぼさなかったが、FAKの細胞膜への局在変化を抑制した。 これらの結果から、Δ55-LyGDIの発現とアノイキス感受性の因果関係が明らかになり、Δ55-LyGDIによる転移抑制の原因のひとつがアノイキス感受性の亢進であることが確認され、また、LyGDIがFAKの細胞内局在変化を介してアノイキスを制御する重要な因子であることを示唆された。我々はヒト大腸癌細胞株ではLyGDIの大部分が細胞膜に局在することを明らかにし、その局在が大腸癌細胞株の悪性化に関連するのではないかと考えている。Δ55-LyGDIの発現が大腸癌細胞株の悪性化進展に関わっているかを検討中である。
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Research Products
(4 results)