2007 Fiscal Year Annual Research Report
Caspase-1により切断されたLyGDIによる転移抑制機構の解析
Project/Area Number |
18590706
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
前田 雅代 Kanazawa Medical University, 医学部, 講師 (30199632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 隆英 金沢医科大学, 付置研究所, 准教授 (10152141)
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Keywords | LyGDI / RhoGDIβ / D4GDI / RhoGDI2 / Caspase-1 / アノイキス / がん転移 / 大腸癌 / Rho |
Research Abstract |
現在用いている8種類の大腸癌細胞株から、LyGDIの発現が非常に高くアノイキス抵抗性のHT29、およびLyGDIの発現が低くアノイキス感受性のSW480を選び解析に用いた。まず、アノイキス誘導によりLyGDIがcaspase-1により切断されるかを、LyGDI-Δ55(caspase-1切断産物)の出現を抗LyGDI-C末抗体を用いたウエスタンで観察することにより検討したが、いずれの細胞株でもLyGDI-Δ55を検出することができなかった。そこで、大腸菌に作らせたヒトLyGDIを精製し、caspase-1と反応させ、LyGDIが実際にcaspase-1によって切断されるか検討した。しかし、長時間のインキュベート後でもLyGDIの切断はごくわずかにしか観察されなかった。血球系細胞ではLyGDI-Δ55が発現するとされているので、EL-4細胞(マウスT-lymphoma)にアポトーシスを誘導し、この時のLyGDI-Δ55(caspase-1切断産物)および、LyGDI-Δ19(caspase-3切断産物)の出現が、それぞれのcaspaseの阻害剤で抑制されるか検討したところ、LyGDI-Δ19の出現はcaspase-3阻害剤により顕著に抑制されたが、LyGDI-Δ55の出現はcaspase-1阻害剤によりほとんど影響を受けなかった。 これらの結果は、これまで信じられてきたようなcaspase-1によるLyGDIのAsp^<55>での切断が細胞内では起きていないことを強く示唆する。生体内での正確な切断部位は不明であるが、我々はLyGDI-Δ55に生理的な機能があることを既に見いだしているので、LyGDIの1-55の制御領域がLyGDIの機能に重要であることは間違いなく、N末制御領域を失ったLyGDIの細胞内での機能の検討をさらに進める必要がある。
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Research Products
(7 results)